東京の図書館から、シリーズで府中市立図書館のライブラリである、スウィトナーとシュターツカペレ・ベルリンによるシューベルトの交響曲全集をとりあげていますが、今回はその第2集です。
この第2集には第3番と第4番が収録されています。必ずしも番号順ではなかったムーティ指揮ウィーン・フィルのを聴いたときにはあまり気付かなかったことが、このスウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの全集だとわかることがあります。それは、あまりにも第3番と第4番の冒頭が似通っていること。
ジャーン!とファンファーレがどっちも鳴るんですね。第3番はニ長調ですし、第4番はハ短調なのですけれどね。
第3番はモーツァルトやハイドン、第4番はベートーヴェンの影響が強いとは言われますが、たとえそうであったとしても、この二つの類似は一体何だろう?って考えてしまうんです。これ、意図的に番号順に収録した可能性はあるかもなあって思っています。
作曲は第4番ははっきりしていませんけれども、1815年という可能性もあることから、ほぼ二つが同時に作曲されていたとも考えられるかもしれませんね。そうなると、ファンファーレで似た形なんだけど、違うものができたという可能性もあるのかもしれません。
一応、ウィキを読む限りでは、二つの作品は引き続いて作曲された可能性が高いわけですが、シューベルトの頭の中では、ほぼ同時だった可能性もあると思っています。で、長調から先に着手し、そのあとハ短調を、となった可能性は否定できないなあと思っています。編集側や生前のスウィトナーがどう考えていたかはわかりませんが・・・・・
それにしても、スウィトナーのすっきりとしたぜい肉をそぎ落としたかのような解釈は爽快です。時としてそれは物足りないこともベートーヴェンとかではありますが、シューベルトに関してはピッタリだと思います。そもそも、ベートーヴェンを尊敬しつつも、モーツァルトなどに様式的に範を撮るかのような前期ロマン派の音楽の典型ともいえるシューベルトの音楽を鑑みれば、適切な解釈ではなかろうかと思います。
歌曲的とか言われるシューベルトなんですが、けれども過度にカンタービレすることもないこのスウィトナーとシュターツカペレ・ベルリンの演奏を聞いていますと、その指摘、本当に正しいの?と思います。旋律的というほうが正しいのではないかという気がします。だからこそ歌うような演奏でも、端正な演奏でも、魅力的に聴けるのではないのかなあと思います。こういった仕事は、さすがプロだと思います。職人と言われることが多かったスウィトナー。その本当の価値は、このシューベルトなのかもしれません。
聴いている音源
フランツ・シューベルト作曲
交響曲第3番ニ長調D200
交響曲第4番ハ短調D417「悲劇的」
オトマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
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