かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:イッセルシュテットとウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲全集6

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズで取り上げていますイッセルシュテットウィーン・フィルによるベートーヴェン交響曲全集、今回が第6回目。第6集をとりあげます。

番号順でくれば、最後は第九であるわけです。構えているかな~という感じもありますが、結構アグレッシヴでもあります。ですので、全体とすればここまでのイッセルシュテットの解釈というか、姿勢は一切ブレていません。どっしりした中に情熱が宿る演奏です。一瞬ですがウィーン・フィルのアンサンブルが乱れる部分も・・・・・それだけ、作品が持つ精神を、イッセルシュテットは見事に引きだしているともいえます。

第4楽章のvor Gott!の部分もオーソドックスですし、奇をてらった部分は一つもないといえるかと思いますが、なのにじんわりと感動が満ちてきます。ただ、合唱は強く押し出しすぎな気が・・・・・もう少し美しさもあればよかったなあとは思いますが、むしろ歌詞が持つ普遍性を考えると、抑えることは適切ではないと判断したのだろうと推測します。

そもそも、ウィーン・フィルのアンサンブルは「豊潤」ではありますが、必ずしも美しいとは言えません。時としてアラが出る場合もあります。しかしそのアラが見事な個性となっているのがウィーン・フィルだと私は思っています。アラと言っても、下手というレベルではないですから悪しからず。ついぶっきらぼうになってしまったというような感じ。けれどもウィーン・フィルの「レベル」だと、それが感情の発露とかなんです。

この第九の演奏でもそれはそこかしこにあるのですが、比較的目立たずに聴けるかなと思います。少なくとも普通に聞く分には何も問題ないレベルです。その修正というか、「やっちまった!」というものの使い方と言いますか、本当にうまい!これが、ヨーロッパのトップレベルのオケなんだなあと思います。

そういったすべてが混然一体となっている「ウィーン・フィルサウンド」が美しく素晴らしいと感じるんですね。できれば、ハイレゾへアップサンプリングとか・・・・・難しいでしょうね。ハイ、こちら側でやってみます・・・・・

こういう分厚いアンサンブルの第九が聴けるようになるのは、一体いつになるのでしょう?そもそも少人数ですら第九はNGですもんねえ・・・・・はあ。第九好きにはつらい日々が続きます。せめて、このイッセルシュテットの演奏で、癒されたいと思います。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
ジョン・サザーランド(ソプラノ)
マリリン・ホーン(メッゾ・ソプラノ)
ジェームズ・キング(テノール
マルッティ・タルヴェラ(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。