かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヨッフムのベートーヴェン交響曲全集5

今月のお買いもの、平成29年8月に購入したものを御紹介しています。今回はディスクユニオン大阪クラシック館にて購入しました、ヨッフムベートーヴェン交響曲全集の第5集です。

遂に、第九の登場です。担当オケはバイエルン放送交響楽団、合唱団もバイエルン放送合唱団。

モノラル録音ですが、音は良いですねえ。さすがドイツ・グラモフォンです。え、演奏はって?

そりゃあ、熱くて素晴らしいですよ!第4楽章のアラ・マルシアからユニゾンへ移る部分ではオケが先走ってしまっているくらい。

で、この演奏、非常に変態演奏です。vor一拍に対して、Gott!は5拍しかないです。その上で、アタッカでアラ・マルシアに突入〜

いやあ、凄まじいと言うか、熱を帯びていると言うか、です。録音は1952年12月。つまり、フルトヴェングラーバイロイトで第九を指揮した、ほぼ1年半後ということになります。

この時期のドイツ社会と言えば、戦争に負け、廃墟もまだそこかしこにある状態で、復興の途中です。その中で響き渡る、連帯を表現する交響曲・・・・・熱を帯びないほうが不思議かも知れません。

だからこそ、変態演奏ぶりが全く不自然じゃないんです。むしろ、それが必然であるかのように聴こえます。どこかしこからか湧き上る、共感と感動・・・・・素晴らしい!

オケがバイエルンですから、ベルリン・フィルのような硬質感もなく、ふくよかで艶もあるんですが、しかしメッセージの力強さと言ったら!まさに名演と言うべきだと思います。まさに、フルヴェンさんだけが巨匠じゃないぜ!

そういう意味では、ドイツという国には、第九という作品があっていいなあと思います。同じ敗戦国である日本と言えば、復古だけでなーんにもないし・・・・・さびしい限りです。左右が互いにののしり合い、民族として協調できるところまでもいがみ合っている。特にそれが文化を守る保守に多いのは、まさに我が国の文化的貧困を表わすと思っています。

この全集が私たちに語りかけるのものはたくさんありますが、その一つ一つをじっくりと受け取りながら、また聴ければいいなと思う全集だと思います。モノラル録音もあってこういう感慨に浸れるのは本当に素晴らしいと思います。

カップリングの「アテネの廃墟」と「プロメテウスの創造物」のともに序曲は、ステレオ録音だけあってバイエルンのアンサンブルの素晴らしさがさらにしっかりと聴けるものになっています。

さらに言いましょう、ドイツのオケはベルリン・フィルだけじゃないし、指揮者はカラヤンだけじゃないぜ!それに囚われているうちは、さまざまな音楽家のメッセージは心に届かないのだろうと思います。




聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
クララ・エバース(ソプラノ)
ゲルトゥルデ・ピツィンガー(コントラルト)
ヴァルター・ルートヴィヒ(テノール
フェルディナント・フランツ(バス)
オイゲン・ヨッフム指揮
バイエルン放送交響楽団及び合唱団(合唱指揮:ヨゼフ・クーグラー)
(Deutsche Gramohon 474 023)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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