東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリをご紹介します。今回はラフマニノフの交響曲全集をとりあげます。指揮はアシュケナージ、オケは現在のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(録音当時はアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団)
ラフマニノフの交響曲は3つしかないので、2枚だけで済むのですが、大抵第2番がぶった切れるのが常です。以前取り上げたものも同じように第2番が切れているものだったと思います。このアシュケナージ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウでも同じです。これはCDというメディアのマイナス面ですね~。
いまなら、ネット配信すればぶった切れることなどないんですが、やはりCDだとこうなってしまいます。いや、CDでもそれぞれ一枚ずつにすれば切れることはありません。ただ、それだけケースは大きくなってしまいます。紙ケースはあまり好かれていませんしねえ。
というわけで、今回は2枚組なんですがあえて一つとして扱っています。こういう点はぜひともハイレゾを購入するときの決め手にしてほしいなあって思います。ハイレゾは確かに音がいいですがもっと言えば使い勝手がいいんです。任意の曲を選ぶのは多少難しいのですが、どこかで切れてしまって別のCDをトレイに入れるというような手間はありません。
図書館でかりてきてリッピングしているため、入れ替える手間はなく、単にクリックするだけ。それも手間と言えば手間ですけれどね。ただ、これはやりようによっては切れている第2番を一つとして聴ける唯一の方法だともいえます。楽章のファイルをコピペして、新たに作っておくのです。そうすれば、第2番だけを取り出すことも可能です。
ただ、じつは私はこの音源に関してはそこまで手間をかけていません。というのも、第2番に関してはすでにCDで持っているマゼール指揮ベルリン・フィルのほうがいいという判断を下しているからです。ラフマニノフの交響曲が嫌いなわけではないですが、聴く頻度を考えると、そこまで用意しておく必要はないだろう、ということなのです。
特にこの演奏は、コンセルトヘボウの素晴らしい音響が却って音の一つ一つの立ち上がりを不鮮明にしており、むしろその言い混ざり具合を楽しみたい!という人にとって最適な演奏だと思うからなのです。刷り込みがあまりない第1番と第3番に関しては私自身不満はないんですが、第2番に関しては悪くない演奏ですし生命力もあり、前進する魅力的なテンポも素晴らしいのですが、しかしやっぱりぼやけているなあという感じがぬぐえないんです。アシュケナージの解釈だって冴えているのに、何かが抜けているという感じがするんです。
となると、そのホールにあった「音の伸ばし具合」という点において、アシュケナージの判断が悪いんだろうなと想像できるんですね。これはこれでいい経験ですのでかりたことを全く後悔していません。こういう点が借りてきてリッピングすることの利点だなあと思います。これが自分で買ったものだと本当にがっかりします・・・・・
全集に収録されている作品の演奏ですべて満足できるものなど本当にわずかです。それは当たり前のことであり、そういう「時として自分の美意識とはずれる」ものをどう楽しむか、ということもまた、クラシック音楽の楽しみだと思うのです。
聴いている音源
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
交響曲第1番ニ短調作品13
交響曲第2番ホ短調作品27
交響曲第3番イ短調作品44
ウラディーミル・アシュケナージ指揮
アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団
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