かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:アラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集3

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介しています。11回シリーズで取り上げているクラウディオ・アラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集、その第3集です。

第3集には第6番から第9番までの4曲が収録されていますが、この第3集でも歌うアラウ・・・・・ではなく、どこか急いでいる印象を受けます。特に第6番から第8番。

今までのカンタービレは一体どこ行ったんだろうって感じなのですが、たとえば、第8番ではアコーギクの差をつけることで表現をしていたり、今までの演奏とは一味違う部分が見受けられます。

こうなると、徹底的に演奏者と対話するしかないんです。アラウ、どうしてなの?と。その強迫性はどこから来るの?と。

作曲年代からして、難聴はまだそれほど深刻ではなく、はつらつとした時代。その溌溂さを表現したいのかなあ、というのが現在の私の答えなのですが、時間とともに変わるかもしれません。何せ、こういう変化はじっくりと腰を据えていないとなかなか掬い取ることは難しいので・・・・・

ただ、第8番「悲愴」の第2楽章はじっくり聞かせますし、第9番はテンポダウンして今度はカンタービレ。この辺りはやはりラテンだからかのかもしれません。自らの気分とかも入っているのかもなあ、とか。ま、それもまた楽しいのですけれどね。ここで裏切るか~、と。

もちろん、その裏切りが全く嫌なのではなく、なぜそうなの?と思わず問うてしまう部分こそ、また醍醐味でもあるわけですしね。こういう「やらかし」を楽しむのも、アラウの演奏の魅力なんだろうなと納得しつつ次に移ろうと思います。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調作品10-2
ピアノ・ソナタ第7番ニ長調作品10-3
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調作品14-1
クラウディオ・アラウ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。