かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:アラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集8

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズでお届けしているアラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集、第8集をお届けします。

後半に差し掛かってきたこの全集ですが、第8集には第23番と第24番、第26番と第27番が収録されています。第25番は前回第7集に収録されています。

第25番だけが第7集だったのは理由としてはわかりません。時間配分の問題かもしれませんし・・・・・

ですが、この第8集では、第23番では少し強迫的な演奏もあります。とはいえ、思わずアップテンポしてしまったような感じ。アラウの「歌」の範囲内での表現になっています。第26番「告別」の第3楽章は再会のうれしさで思わず感情が高まっている様子をアップテンポとキラキラしたピアノで表現しています。

全体的にいえることは、ほかのピアニストなら普通にアップテンポで弾くだけになるかもしれないところを、ちょっとだけテンポをじっくり目にして、あくまでも「歌う」んです。これがとても魂を揺さぶるんです。私にとっては共感の嵐です。

このアラウの演奏を聴いてしまいますと、本当にクルレンツィスなどまだまだ修行が足らないんじゃないかって思います。もちろん彼がやりたいことはわかりますし、ぜひとももっと熟成させてほしいのですが、それにはまだまだ時間がかかるように思います。折角トップソリストたちが集まるオケなのにって思うと、残念なんですね、チャイコの「悲愴」だとかは・・・・・

人の悲しみ、喜び、つらさ、苦しみと言ったものを、さらりと「歌う」ことで表現して、納得させてしまうアラウの表現力・・・・・それは、人間力だったのかもしれません。ハイレゾで聴いてみたかったなあ。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57「熱情」
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調作品78「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調作品81a「告別」
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調作品90
クラウディオ・アラウ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。