かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:フランスの古楽オケによる「ロンドン・セット」1

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回から4回にわたりまして、ハイドンの「ロンドン・セット」を収録したアルバムをご紹介します。

長い読者の方であれば、ハイドンのロンドン・セットなら以前取り上げているじゃないかと思うかもしれません。はい、あの有名なドラティ指揮のものを全集で取り上げています。

でもあれはモダンです。やはり、古楽のも聴きたいと思うじゃないですか!そのため、小金井市立図書館にありましたため借りたのがこの音源でした。

しかも、オケはフランスの古楽オケ、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル。日本語では「ルーヴル宮音楽隊」と訳されるオケです。

グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%AB%E5%AE%AE%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E9%9A%8A

公式サイト
http://www.mdlg.net/

ルーヴルは、長くフランスの王政の中心でしたが、第三共和政以降は、共和政府の中心でもあります。つまり、フランスの歴史の生き証人ともいえるわけです。そんな場所を名とするこのオケ、実に端正ながらも生き生きとした演奏を聴かせてくれます。それはこのオケが世界から団員を募っているという点もあるのだと思います。それは図らずも、フランスという国の在り方に直結しています。

ルーヴル宮殿
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%AB%E5%AE%AE%E6%AE%BF

まずこの第1集では、第93番と第95番、そして第96番が収録されていますが、演奏順は反対から。つまり、第96番、第95番、第93番の順です。第1曲の第96番では、荘重さも兼ね備えつつ、生命力ある演奏ですし、そのほかの2曲も、生きのいい演奏をしてくれています。

ハイドンで生きのいい演奏なんて、そうそうお目にかかれるものではありません。古楽だととにかくテンポを速くすればいいという演奏も散見される中で、どっしりとした部分を備えつつも生命力にフォーカスした演奏は誠に見事です。

それはロケーションも関係しているのかもしれません。実はこのアルバムのロケーションは、グルノーブルではなく、ウィーンなんです。しかも、ムジークフェラインと並ぶホールである、コンツェルトハウスです。

ウィーン・コンツェルトハウス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9

そう、フランスの古楽オケが、しかも首都の名前を名乗るオケが、オーストリアの首都であるウィーンで、オーストリアの作曲家であるハイドンの作品を演奏するというものなんです。しかもライブ録音。モーツァルトとはまた違った楽しさが魅力であるハイドン交響曲を、実に楽しそうに演奏しているのが聴いていて伝わってきます。

ハイドンと言えば、古臭いというイメージもあるかと思いますが、この「ロンドン・セット」はその作品のほぼすべてがモーツァルト亡きあとのものなのです。もっと言えば、ハイドンモーツァルトの影響を受けた後に作曲されたひとまとまりの作品群だといえるのです。

ロンドン交響曲 (ハイドン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

そんなハイドンとしては先進的な作品を、古楽で演奏するにあたり、オケや指揮者であるミンコフスキは全く頓着しないんです。テンポゆったりめで、しかし古楽オケらしくあまり音を長く伸ばさない。それはいい残響のホールだからこそできる技だと思います。むしろ、オケの団員たちの「もしハイドンの時代にいいホールがあったなら、こんな演奏もあったのではないか」という確信めいたものすら感じます。それが潔くてとても気持ちいい!

いきなり初めからすごい演奏をたたき出す連中です。いやあ、こいつは次だって期待大です!




聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第96番ニ長調「奇跡」Hob.�T-96
交響曲第95番ハ短調Hob.�T-95
交響曲第93番ニ長調Hob.�T-93
マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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