かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:フランスの古楽オケによる「ロンドン・セット」2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズで取り上げていますグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊によるハイドンのロンドン・セットの第2集。第94番、第97番、第98番が収録されています。

第1曲に来ているのは、やはり超有名曲でもある第94番「驚愕」。第2楽章がその名前の由来なんですが、この演奏、文字通り驚愕なんです。どういうこと?って思いますよね。

第2楽章が由来になっているのは、ティンパニの叩き方ですが、なんと!ティンパニを叩かないんです。むしろディヌミエンドしていくんです。あれ?

・・・・・そしていきなり、叫び声!キャア!え?何が起こったの?そう、実はこれがティンパニの代わり。しかしその後はしっかりティンパニで表現していきます。こういう遊び心、いいですねえ。

むろん、これは究極の楽譜無視です。しかし違和感がないんですよね、不思議と。しかも何度も聴きたくなる中毒性も十分あるというw

あとの二つの、第98番と第97番も、ハイドン交響曲が持つ諧謔性を存分に楽しんでいる魂が伝わってきます。聴いているこっちも楽しいのでついヘビロテしてしまいます。内面までしっかりと表現しているこの演奏は本当に楽しい!

ハイドンと言えば、どこか古臭いというイメージが強いって思うんですが、むしろ時代的には多少軽めだと思います。その軽めをどこまで楽しむのかが、ハイドンの作品を表現するうえでの重要なファクターなんだと、私は最近気づいてきました。特にこの「ロンドン・セット」は、聴衆が貴族ではなく市民なんですよね、イギリスなので。むしろ、ハイドンがのびのびと作品を書いているようにすら聴こえてくるんです。それはルーヴル宮音楽隊の団員たちのレヴェルの高さを示すものでもあるかと思います。

ソリスト集団が、その自分の魂と共鳴させながら、指揮者ミンコフスキーの下集まり、表現していく・・・・・そして紡ぎだされるもの、それは魂の共鳴に基づいた楽しさ、愉悦、そして喜び。ppからffまでを存分に使いながらも丁寧な演奏。それが自然とアグレッシブな演奏となり、精神の共鳴へとつながっていく。もう、手放しで素晴らしいとしか「言えねえ!」

こういう演奏を聴きますと、特段クルレンツィスは要らないなあって思います。いや、彼も存在するべく出てきたわけですから否定はしません。モダンの演奏で己の道を切り開き、新しい地平を見せてくれるのは大変喜ばしいことだと思います。けれども彼が革新をもたらしたのではないのです。このグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のような「同志」がいて初めて可能なんです。クルレンツィスが取り上げるのがロマン派であり、ルーヴル宮音楽隊が取り上げるのが古典派であるだけです。私はそのどちらも楽しめる存在でいたいですね。




聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第94番ト長調「驚愕」Hob.�T-94
交響曲第98番変ロ長調Hob.�T-98
交響曲第97番ヘ長調Hob.�T-97
マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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