かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:フランスの古楽オケによる「ロンドン・セット」3

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズでご紹介しているフランスの古楽オケ、グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊によるハイドンの「ロンドン・セット」、今回はその第3集です。

番号順とはいいがたかった収録順が、この第3集では番号順になっています。しかし演奏はそんなことを全く思わせない、関係なくさせる素晴らしいものになっています。

生き生きとしたリズム、それは生命、あるいは魂の躍動です!そしてどの作品でも歌う!特に秀逸なのが、第100番「軍隊」第2楽章。その名の由来ともなっているティンパニ連打からの部分は、もう鳥肌立ちます。その豊潤さといったら!

そう「軍隊」なんて大仰な名前がついているのに、なんと豊潤で美しいことか!第101番「時計」もその機械的な名称の割にはその時計音はまるで心臓音のよう。第99番は生命が躍動していますし、3曲ともまるで新しいハイドン像を提示するかのよう!

いえ、新しい演奏なんてそれ以前にももう佃煮にできるほどあるわけですが、それでもこの演奏はとても新鮮です。新しい古楽の時代を告げるものではないかと思います。収録は2009年ですから、ちょうど10年前。ハイドンの作品が古楽で演奏されるようになり久しいですが、これは古楽とかモダンとかそういう垣根なんて関係ねえ!って感じです。私たちが演奏したいように演奏するんだ!という気概に満ちています。それでいて大筋は決して離れていませんし。

それは、まさにフランスのオケだからなのかもしれません。そもそも、このグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊はソリスト集団です。そのソリストたちが、一つの作品を尊敬する指揮者の元で演奏する・・・・・個が集まり集団となり、個性が集まり一つの表現となる。まさに西欧民主主義の体現なのですが、実はこれ、バロック〜古典派におけるオケのスタイルそのものでもあります。

つまりそれは、歴史上クラシック音楽がどんな役割を果たしてきたのかという史実を、現代に語っていることでもあります。この演奏はライヴですが、コンサートホールに集いし人たちは、かなり多くの人たちがその意義を知っているということになります・・・・・果たして、私たち日本人はそこまでの意識を持って聞いている人がいるでしょうか?もちろん聴きかたなんて人それぞれなんでどうでもいいことではあるんですが、クラシック音楽をもって政治的な発言をする人たちから、ハイドンとか全く聞こえてこないのは少し寂しい気もします・・・・・

ハイドンこそ、新しい才能を認めて、後世につなげたうえで、自分も素晴らしい作品をたくさん残した作曲家なんですけれどね。




聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第99番ホ長調Hob.�T-9
交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.�T-100
交響曲第101番ニ長調「時計」Hob.�T-101
マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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