かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:コア・アプラウス 2019年演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和元年5月19日に聴きに行きました、コア・アプラウスの2019年コンサートを取り上げます。

令和ってまだ慣れないですねえ。つい平成って打ちたくなります・・・・・

さて、毎年恒例と化しつつあるこの演奏会への行脚。今回はその前日にオルフ祝祭合唱団のカトゥーリ・カルミナがあった関係で、一体予定がどうなることやらと思っていましたら、オルフ祝祭合唱団のほうは明け、このアプラウスは公休という、なんとも幸せなこととなりました。

そのアプラウスですが、この何年かは、一度取り上げた作品を再びということが常態化しています。宗教曲をという指揮者砂川氏の方針のようなのですが、そろそろ新しいものを取り上げてもいいかなって思うのですが・・・・・

それでも足を運ぶのは、やはりこの合唱団が年々素晴らしい演奏をたたき出すって点です。私も参加したフォーレのレクイエムの時よりもさらにうまくなっているのが手に取るようにわかるのが、本当に素晴らしい点だと思います。

今年は、ドヴォルザークスターバト・マーテル。これも何度かすでに演奏されている作品ですが、もう最初に一言で言ってしまいましょう。今回が最も素晴らしかった、と。

最初の「悲しみに沈める御母は」の入り、そして休憩後の「我にも汝とともに涙を流させ」、最後の「肉体は死して朽ち果てるとも」のクレッシェンド。ダイナミックかつ雄大で、荘厳。そしてのびやか。それは聴くものを常に圧倒する演奏でした。そして心地よい!

前日のオルフ祝祭合唱団もそうでしたが、高音部のなんとのびやかなこと!本当にコア・アプラウスはもう心配ない演奏をしてくれます。それよりも毎年心配なのは、むしろ稲見先生のほうなので・・・・・今年は、調子よかったようで、安心でした。打ち上げにも参加できればその点は真っ先に言及しようとは思いましたが、残念ながら当日は私がmixiで主催している鑑賞会があったのものですから・・・・・

いずれにしても、この4月5月という時期に演奏会を行うのは、稲見先生の性格を考えますとちょうどいいのではと思います。砂川先生にとってはもちろんだと思いますが・・・・・

ほかのソリストカンタービレ十分で、さすが歌うたい砂川氏に集いしソリストたちだなと思います。さらに今回いい点なのは、合唱団が昨年同様舞台に降りているという点です。

コンサート雑感:コア・アプラウス2018年演奏会を聴いて
https://yaplog.jp/yk6974/archive/1713

なぜ客席ではなく、舞台のほうがいいのか。それは、音がいったん上に上がって降りてくるから、です。客席だと音がそのまま降りるか真正面から飛んでくるだけになります。それもまたそれで音圧で感動する部分もありますが、クレッシェンドが強すぎるきらいもあるんですよね。

それを避けるために舞台に降りたことは、いい選択だったと思います。前日オルフ祝祭合唱団で歌った方たちはお分かりかと思いますが、あのなかのZEROホールの大ホールは天井がとても高いんですよね。そのうえで後部客席などない。つまり、音は普通に上に上がり降りてくるわけで、客席にいる聴衆は必然的に音に包まれるんです。同じことを今年も使った杉並公会堂で実現するためには、やはり舞台に降りるしかないんです。けれどもそれは、しっかりと発声できないと難しいことでもあるんです。

コア・アプラウスが真に素晴らしい合唱団へと変身した証拠だと思います。その分、稲見先生の指導はかなーり熱血だったと聞いていますが・・・・・

この「音が一旦上に上がり降りてくる」ということが最も効果的だったのが、最後の「肉体は死して朽ち果てるとも」の最後の部分だったのです。クレッシェンドで盛り上がっていくところがのびやかで、決して力任せではなく、ドヴォルザークがこの作品に込めた「心の底からの悲しみを表現することで、その悲しみを手放そうとする」ことを存分に表現できているんですね。この部分、思わず目に涙がたまりそうになりました。

来年はまたブラームスの「ドイツ・レクイエム」。再び舞台に降りて、どんな表現を見せてくれるのか、とても楽しみです。その前に、夏のコンサートや、多分この秋にもまた稲見先生のリサイタルがあるでしょうし。それらもぜひとも足を運びたいなあと思います。




聴いて来たコンサート
コア・アプラウス2019年コンサート
アントニン・ドヴォルザーク作曲
スターバト・マーテル 作品58
稲見理恵(ソプラノ、合唱指揮)
内藤明美(アルト)
征木和敬(テノール
佐藤泰弘(バス)
砂川稔指揮
東京シンフォニックアンサンブル
混声合唱団コア・アプラウ

令和元(2019)年5月19日、東京杉並、杉並公会堂大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村