かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:コア・アプラウス2018年演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成30年4月1日に聴きに行きました、コア・アプラウスの2018年演奏会を取り上げます。

このブログでは何度も取り上げているこの団体ですが、実は聴きに行ったのは仕事の関係で4年ぶりでした。

コンサート雑感:コア・アプラウス2014演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1246

とは言え、実は指導されている稲見先生のリサイタルは昨年足をはこんでいます。

コンサート雑感:稲見里恵リサイタルを聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1652

どうしてもWワークのもう一方が日曜日で、なかなか外せないので、最近はご無沙汰している団体ですが、いつでも合唱団は安心して聴いていられる団体です。まあ、アラもあるんですが、アンサンブルの崩壊がほとんどないのが素晴らしい団体ですので、そこは何時も心配していないんです、稲見先生と違って。

其れよりも、わたしはいつも稲見先生を心配しているんですが・・・・・・多分、砂川先生同様。

え、そんなに偉かったんですかって?んなわけないです。私は指導される側だったので、稲見先生の性格をよく知っているだけ、です。でも、今は聴衆の立場ですから。

今回も、そんなドキドキ感をもって会場へと足をはこびました。ホールは何時もの通り杉並公会堂。他でやってもいいと思うんですが、まあ、そうはいかない事情があるようで(話によると、来年の打ち上げの予約を荻窪のとある店ですでにとってしまっているとか)・・・・・私としては、小金井とか府中もいいホールありますよ〜って思うんですけどね。あるいは三鷹でもいいなあ。

でも、杉並公会堂の大きさが、コア・アプラウスにはあっていると思います。今回のプログラムは以下の通りです。

�@モーツァルト 戴冠ミサ
�Aシューベルト ミサ曲第6番

え、すべてミサ曲ですかって?ええ、おなかいっぱいですw

でも、どちらも私が好きなミサ曲なんです。2つともこのブログでご紹介したことがあるものです。ですから、足をはこべればと思っていましたら、何とか時間が作れたのでした(いやあ、シフト変更になったので始めはいけないかと思っていましたが)。

まずは戴冠ミサ。モーツァルトザルツブルク時代の最後に作曲した作品で、コロレド神父のレギュレーションに応える形の最終形となっている、完成度の高い作品です。モーツァルトの個性が存分に表現されているので、生命力あふれる作品ですが・・・・・

砂川先生は多少どっしりとしたテンポで始めた、と思ったんです。うーん、このテンポは私は好きではないけれど、まあ、砂川先生が選択したのだから、取りあえず様子を見ようと思っていましたら・・・・・

あれ、あれれ?テ、テンポがずれてくる・・・・・・オケと合唱団が合わないんですよね。コア・アプラウスではとても珍しいことが起っていました。何で?

終演後、友人に確認してみたところ、砂川先生はもともと指揮者じゃないからと。ああ、なるほどね〜と。つまり、打点がそもそも砂川先生ははっきりしないわけなんです。とはいえ、ふつう、ゲネプロで大体のテンポは確認するでしょ?とは思っているわけです。ですからこれは、そもそもは砂川先生はシュライヤーばりにもっと生命力あふれる演奏にしたかったのだけれど、打点がはっきりしないがために、オケが少し迷ったのではないかと推測しています。

その上で、これも多分ですが、稲見先生が発声はあまり力入れないでと言われたのではないか、と。それでもどっしりとしたテンポであればアリだと思いますが、コンサートって当日何が起こるかわからないんですよね。グローリアでは本当にひやひやしました。

でも、すぐ修正するのはさすがだと思います。それよりも、ハラハラしたのは毎度のこと、稲見先生のほうでしたから・・・・・でも、今回はコンサートが4月ということもあってか、調子がとてもいいなと感じました。ヘンに力が入っている感じがなく、のびやかなのがとても印象的でした。他のソリストものびのびとした発声で、瑞々しい感じがとてもいい〜

その上で指摘するとすれば、稲見先生も含め女声は、もう少し艶があってもよかったかな〜って思います。特にアニュス・デイはオペラアリア的な旋律となっており、それ自体がモーツァルトが神への賛美の表現だと思うので、恋する女のような意識があればモア・ベターだと思います。

続くシューベルト。これが戴冠ミサとは打って変わって、合唱団もオケもソリストもバランスが取れつつ、生き生きとしていていい!できればもうすこしアインザッツが強くてもよかったと思いますが、今回合唱団は客席ではなく、舞台に降りているんですよね、中大混声と同じように。ですから、学生に比べれば多少力強さという点では劣って当然ですし、アンサンブルの良さでしっかりカバーできているので、十分だったのではないかと思います。多少ひっくり返り気味のソプラノが気になりましたが、それよりも声がしっかり客席の遠くまで届いていることのほうが大切なので、良かったと思います。

実はシューベルトの第6番は、ともすれば冗長に感じる作品です。演奏時間が1時間近くかかる実は大曲。それが全く感じない、筋肉質の良い演奏でした。後から打ち上げに参加させていただき稲見先生からお聞きしたところでは、演奏会の前に必ず砂川先生とテンポ等の打ち合わせをやっているそうで、インテンポでいったほうがいいのではということもあったというお話があり、納得しました。

それにしても、砂川先生は米寿、88歳とは思えないエネルギッシュな指揮。打点を除けば、本当に素晴らしい指揮をされると思います。作品へのアプローチが良いなと毎回思います。今回戴冠ミサも、実は演奏が進むにつれて熱を帯び、恐らく本当はもっとゆったり振る予定だったのが、いつの間にかシュライヤーばりになっていったのでしょう。それがコンサートというものなんです(実は、わたしは宮前フィルハーモニー合唱団「飛翔」の定期演奏会に置いて、守谷弘氏の指揮で同じ現象を団員として体験しています)。だからこそ、始めオケと合唱団が面喰ったのでしょう。それだけ熱を帯びていた素晴らしい演奏ですが、そうとうお疲れの様で、そろそろ1プロくらいはお弟子さんに譲ってもって思うのですが・・・・・まあ、それは先生がお考えになることなので。

今回は打ち上げにも参加させていただき、本当にお世話になりましたが、年齢を経て体が老いて行くにも拘らず、精進していい演奏をするなと思います。勿論、もっと上手に演奏する団体は数多くあります。例えば中大混声がそうですし、フィルハーモニック・コーラスさんがそうです。しかしコア・アプラウスのいいところは、密接なコミュニケーションで連帯しているという点です。それがいつしか老いをしっかりとフォローしている。その現場を観させていただいたように思います。できれば今回のように聴衆として友人の誘いを受けてではなく、同じ団員として参加したいなと思いますが・・・・・・さて、それはいつかないますことやら。とりあえず、来年のドヴォルザークのスタバトが聴ければ良いなと、切に願っています。日曜日が仕事なので・・・・・




聴いてきたコンサート
コア・アプラウス2018コンサート
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ミサ曲ハ長調K.317「戴冠ミサ」
フランツ・シューベルト作曲
ミサ曲第6番変ホ長調D950
稲見理恵(ソプラノ、合唱指揮)
喜田美紀(アルト)
岡本泰寛(テノール
川久保博史(テノールシューベルト
山下浩司(バス)
砂川稔指揮
東京シンフォニック・アンサンブル
コア・アプラウ

平成30(2018)年4月1日、東京杉並、杉並公会堂大ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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