かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:コア・アプラウス2013年演奏会を聴いて

ほぼ一年ぶりのコンサート評である「コンサート雑感」のコーナー、今回は毎年聴きに行っておりますコア・アプラウスの2013年演奏会について述べてみようと思います。

と書き始めたのはいいのですが、一応あるオーケストラの方が読んでいる場合も想定して、一応お断りを・・・・・

オーケストラ・ダズビダーニャの団員の皆様!大変申し訳ありません!昨年の演奏会、せっかく聴きに行ったのですが、なにぶん1年近くたってしまったので詳細に覚えておりません。この場を借りまして、素晴らしい演奏会だったとだけ、述べておきたいと思います。また、今年は所要がありました関係で聴きに行っておりません。ご容赦くださいませ・・・・・

ということで、本題に戻りたいと思います。コア・アプラウスは3年近くこのブログで取り上げている団体です。ダズビ同様、一年かけて一つの作品を仕上げていくというスタイルを取っている合唱団です。

混声合唱団コア・アプラウス CHOR APPLAUS
http://www.milmil.cc/user/applause/

同じ曲を何度か取り上げることでも特色のある団体なのですが、今回も実は以前取り上げている作品が演奏されました。それは、2009年にも演奏している、ブラームスドイツ・レクイエム

ブラームスドイツ・レクイエムは、ブラームス交響曲で名をはせるきっかけともなった、彼を代表する合唱曲です。

ドイツ・レクイエム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A0

実はこの曲、とても難しいのです・・・・・・と言っても、私は歌ったことがないのですが、聴くだけでも難しさが想像できる作品です。それはわたしの合唱経験から導き出しているのですが・・・・・

まず冒頭第1曲目の「幸いなるかな、悲しみを抱くものは」は、高音を弱く歌わないといけないのですが、これがとても難しいのです。が、コア・アプラウスはそれをいとも簡単にやってのけてしまうんですね。

勿論、アマチュア合唱団というのは、たいてい一定の割合で音大生のエキストラが入っているものなのですが、とはいえ、それが入っても遜色ないということはそれだけプロパーの団員のアンサンブルがそろっていることを意味します。ですのでいとも簡単にやってのけてしまうんですね。

今回、私は2009年の演奏会を思いだしながら聴いていましたが、全体的にテンポが遅めで、ゆったりとしたテンポとなっていました。速めのテンポがお好きな砂川先生にしては珍しい・・・・・

その時はわからなかったのですが、今考えてみると、砂川先生は一度演奏している曲だからこそ、遅めのテンポ設定にしたのかな、と思います。なぜか?

オーケストラをやられている方はあまりピンと来ないかもしれませんが、合唱、つまり声楽の場合、テンポというのは本当に大事なのです。歌うためにはまず息を吸わなければなりません。そしてそれを吐き出さないといけないわけなのですが、テンポはその「吐き出すスピード」と「吐き出す量」を変化させるからなのです。

つまり、歌うということは、息を吐き出すスピードと量を、常にコントロールし、マネジメントしていくことなのです。速ければ大量にかつ一気に息を吐き出す必要がありますが、逆に遅ければ、徐々にゆっくりと吐き出す必要があります。

ここで大事な点は、その時間なのです。つまり、一気に吐き出すか、ゆっくりと吐き出すか。人間は息を吸える量が限られています。その限られた量の息を、どの時間どのように出していくかが、「歌う」ということなのです。そのなかでかつ強弱の表現もつけなければなりません。強く出すためには息をたくさん使わなければなりませんが、弱く出すためには少しずつ使う必要があるのです。

で、例えば第1曲目の場合、高音で弱く出すということは、息をある一定強く出しながらも、ゆっくり息を吐き出していくということになります。そう、実は矛盾することが要求されるのです。それをマネジメントするのが、歌うということであり、それをアンサンブルの中でするのが「合唱」なのです。

ブラームスドイツ・レクイエムの場合、そんな場面がたくさんあるのに、さらにテンポがゆったりということは、息を吐き出すマネジメントを、さらに高度に行う必要があることを意味するわけなのです。つまり、砂川先生が目指したもの、それは合唱団のさらなる成長であった、と考えれば納得なのです。

団員からは崩壊寸前だったと聴きましたが、実際客席で聴いていますとそんなことはほとんどわかりません。つまり、明らかな失敗はないということになります。それこそ、コア・アプラウスの実力であり、砂川先生は当然合唱団にさらなる成長を期待してもおかしくないなあと思う次第なのです。

演奏はそのゆったりとしたテンポの中でアンサンブルが崩壊することなく、安心して聴くことが出来ました。ソリストも今回本当に素晴らしく、特に合唱指揮もされている稲見先生はのびのびとされていて、安心して聴くことが出来ました。やはり一度歌っている安心感なのでしょうか、堂々とされていて、それを受けついで合唱団も伸びやかだったと思います。

オケも今回目立った崩壊もなく、いいアンサンブルだったように思います。まあ、途中すこし・・・・・って部分もありましたが、あまり問題になるレヴェルではないように思います。

さて、来年はシューベルトのミサ曲第5番とのことですが、なんと!会場でパンフレットを開いてビックリ!今年の4月に第九をやられるとのこと。うーん、できれば参加したい・・・・・・

勿論、合唱団員として参加できなくても、聴衆として馳せ参じる予定です。



聴きに行ったコンサート
混声合唱団コア・アプラウス 2013年コンサート
ヨハネス・ブラームス作曲
ドイツ・レクイエム作品45
稲見里恵(ソプラノ)
吉江忠男(バリトン
砂川稔指揮
サノン・フィルハーモニック管弦楽団
コア・アプラウ
2013(平成25)年12月8日、東京杉並、杉並公会堂大ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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