かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヒンデミットのバレエ音楽

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はヒンデミットバレエ音楽を収録したアルバムをご紹介します。

ヒンデミットは以前も取り上げたことのある作曲家ですが、そもそも、ヒンデミットの作品に本格的に触れたのは、mixiの同時鑑賞会だったと思います。それをきっかけにこれいいよあれいいねって話になって、紹介されたのがヒンデミットでした。

このアルバムに収録されている作品のうち、多分「気高い幻想」は以前取り上げたことがあるかと思いますが、じつは1曲目の「4つの気質」に惹かれてこれは借りています。あるマイミクさんがいい!とある時期頻繁につぶやいていたもので・・・・・

そこで、私は当時まだそれほどお金もなかったため、それを図書館で借りてこようと思ったわけです。

その1曲目「四つの気質」。ギリシャの医者ヒポクラテスなどという、随分懐かしい名前にゆえんがあるこの作品は、そのギリシャ医学に基づいて音楽がつけられているバレエ音楽です。即物的という批判もありますが、これはヒンデミットバロック回帰の作品でもあると私は睨んでいます。こういった標題音楽でかつ舞曲集はバロックによくあったものです。例えば以前ご紹介したことのあるルベルの「4大元素」がそれです。

そんな作品を知っていると、このヒンデミットの作品は即物的なのではなく、即物的な形を借景に、人間をバレエで描いた作品だと言えるでしょう。それはそれでロマン派以降の伝統ですし、それに異を唱えるのは何を音楽に求めているんだろうと思います。

その次が、「気高い幻想」。これも古典的というかバロック的な作品です。こう見てくると、ヒンデミットという作曲家は、新古典主義音楽の影響を受けている作曲家だと言えます。

気高い幻想
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E9%AB%98%E3%81%84%E5%B9%BB%E6%83%B3

それが、意味をなさないとか、即物的とか言われて、挙句の果ては退廃音楽指定され、闇に葬られそうになるわけで、それでヒンデミットアメリカへ亡命するわけです。不協和音が鳴り響く中、決して気品を失わない和声。そこにダンサーが入ったら一体どうなるだろうと、ワクワクします。音楽だけなのがとても残念です。やはりこういった作品はダンスとともにとこそ、生きてくると思います。

本当に日本はリベラルの皮をかぶったナチストが多いんですから・・・・・左右ともに。ヒンデミットの音楽を批判するのはいいですが、あまりナチが葬ろうとした路線で批判するのはどうかなって思います、正直。不協和音がガンガン鳴っているのに、ワクワクするこの感覚・・・・・ヒンデミットの非凡さを証明すると私は思うのですが。

演奏は作曲者指揮ではなく、プリースト指揮ロイヤル・フィルハーモニー管。ピアノはローゼンバーガー、ロケーションはアメリカ。オケがイギリスなのに、アメリカ色が全面に押し出されたタレントとなっています。つまり、これはアメリカの宣伝録音だとも言えるわけなんですね。確かに、「4つの気質」はアメリカで成立した作品ですし。若干ジャジーな雰囲気もある「4つの気質」。そして気品あふれ生命に満ちている「気高い幻想」。バロックの様式を20世紀の音楽でという、おそらくヒンデミットの狙いを充分理解し、咀嚼し、自らの表現としているのは爽快です。

私も、こういった不協和音の作品を「爽快」と表現できるようになったんだなあと思うと、感慨深いです。あ、そうかい?とは、言わないでぇ〜




聴いている音源
パウルヒンデミット作曲
バレエ音楽「四つの気質」
バレエ音楽「気高い幻想」
キャロル・ローゼンバーガー(ピアノ)
ジェームズ・デ・プリースト指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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