神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シリーズでジークフリート・ワーグナーの管弦楽作品集を取り上げていますが、今回はその第5回目です。
第5集では、ジークフリート・ワーグナーが作曲した交響曲ハ長調が収録されています。え、ハ長調?確か父のリヒャルトもそうだったよね?と検索してみれば、そうなんです、親子でハ長調交響曲を作曲しています。
交響曲 (ジークフリート・ワーグナー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC)
交響曲 (ワーグナー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC)
いやあ、この親子、どこまで共依存なんでしょうかwともに交響曲は1曲しか完成させておらず、しかもハ長調。
しかもですよ、ハ長調って、聖なる調とずっと申し上げていますが、ミサ曲で多く使われる調なんです。それを交響曲で使ってしまうって・・・・・古典派の時代ならともかく、楽器が発達した後期ロマン派で、ですよ。いやあ・・・・・・もう、言葉が出ません。
ただ、聴いた限りでは、私は息子ジークフリートのほうが好きですね。やはり父リヒャルトのは若書きなので・・・・・それはそれで情熱的ですけどね。
そして、この息子ジークフリートのほうが、近代的なオーケストラにあっているようにも思います。オケは再びラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団。芳醇なサウンドが、息子ジークフリートの非凡な才能を語りかけます。スケルツォはダンスし、ロマンティックこの上ない!
けれども、同時にこの作品は1920年台に成立した作品です。CDの情報だとさらにそれよりも前、1913年くらいに第2楽章は成立していたようで、その時代であればもう20世紀音楽の和声であるはずなのですが、このジークフリートのはまるで時間が50年ほどさかのぼったかのよう。
いや、私も後期ロマン派の作品は好きなのでそれがどうとはいいません。けれども、しっかりと音楽学校で教育を受けていれば、もっとちがった展開があったはずなのになあと思うと、とても残念な作品で、このオケの生き生きとした芳醇なサウンドを聴きますと、ますますその思いは強くなります。
だって、この時代の他の作曲家たちの作品であれば、例えばシマノフスキだとかですが、もっと不協和音バリバリですよ。それが旋律旋律してるんです。これはまるで、現代日本を見るかのようです。復古主義の・・・・・いや、新しい元号、素敵ですが、もっと厳しい意味にも取れるような元号はどうなんだろうって思います。日本的ロマンティシズムに耽溺してしまった結果ではないかと思います。それはこのジークフリートの交響曲と相通じるものがあるのではないでしょうか。
そうであれば、意外とジークフリートのこの交響曲は、普遍的なメッセージを持つのだと思います。
聴いている音源
ジークフリート・ワーグナー作曲
交響曲ハ長調(原典版)
第2楽章第2稿(1927):Langsam
エクローグ(フランツ・リストの巡礼の年第1年《スイス》からの同名曲の編曲)
ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
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