かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:樫本大進とコンスタンチン・リフシッツの ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集11

今月のお買いもの、平成30年4月にe-onkyoで購入しました、樫本大進とコンスタンチン・リフシッツの二人によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集も、ようやく最後まで来ました。

この最後には3曲おまけがついていまして、まずはクライスラーの「シンコペーション」と「ベートーヴェンのテーマによるロンディーノ」です。

クライスラーといえば、最も有名なのが「愛の喜び」なのではないでしょうか。私も初めて聴いたクライスラーの作品が「愛の喜び」でした。「3つの古いウィーン舞曲」の一つですが、その3つがクライスラーと言えば代表作だと言えるでしょう。けれどもここではそれを取り上げず、むしろクライスラーの優れたヴァイオリニストであったことと作曲家だったことに焦点をあてています。

フリッツ・クライスラー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC

シンコペーションは実にヴィルトォーソ・クライスラーらしい作品で、二人が楽しんでいるのが手に取るようにわかります。そして2曲目の「ベートーヴェンのテーマによるロンディーノ」。じつは、その次のベートーヴェンの作品と対、なんです。それは、そのベートーヴェンの主題というのが、WoO.41だからです。

ボクノオンガク
クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ:クラシックになるということ
http://bokunoongaku.com/2012/06/20/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%B8%BB%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%83%AD%E3%83%B3/

WoOですから、そりゃあ取り上げられる回数など少ないものになってしまいますが、おしゃれな旋律はロマンティスト・ベートーヴェンらしい作品だとも言えます。クライスラーはそんなベートーヴェンの作品を使って、自作を作曲したってわけです。まあ、いろいろ批判はあるとは思います。けれどもこれ、ショスタコが使った「引用」と同じだとすれば、目くじら立てることもないって思います。

実際、3曲目にそのベートーヴェン自身の作品が収録され、聴いてみますと、クライスラーとはまた別の作品だとわかります。確かに、あれ?おなじ旋律だけど・・・・・とはじめは思いますけど、検索してみればなーるほど!ってわけです。

そんな作品をです、これまた二人が楽しんでいるんですよねえ。これ、いいよね!うん、さすがは二人のヴィルトォーソだよね、なーんて会話が聞こえてきそうですよ。ベートーヴェンは決してヴァイオリンが得意というわけではありませんでしたが、弾くことはできました。その上、ヴィオラも弾けたんです、ベートーヴェン。それは第九の第4楽章でヴィオラパートが2つに分かれていることへと結実しています。

そんなことをです、ベルリン・フィルの主席でもある樫本が知らないわけがありません。その上でのこの全集であるわけです。もちろん、樫本自身にもまだまだだなあと感じる点は私も印象として持っていますが、かと言ってですよ、私は元合唱屋。ヴァイオリニストではありません。樫本には樫本なりの解釈があるんだろうなと思うだけです。あとはそれを受け入れられるか否かだけ。比較的受け入れられるものが多いかなって思います。

ふたりともまだ若い才能です。これからまだまだ伸びていくんだと思います。さらに10年後くらいにこの二人が同じ内容で収録したとしたら、一体どんな演奏になるのだろうって思います。その意味では、つい厭世観にとらわれてしまう私も、もう10年は生きてみようかと思い立つわけです。そんな生きる勇気すら、この二人からは貰えるんです。それがすばらしい!

特段のメッセージなどいらないんです。この演奏が、私をして、生きる勇気を奮い立たせるんです。そうだ、後1日生きてみよう、と。1日生きれば、何かを経験できる。その分、人生は楽しいと感じることができますから。そんなエネルギーを、この二人からはこの1年もらった気がします。

ベートーヴェンヴィイオリン・ソナタはこれ以前にすでに図書館で2つも借りてきている私ですが、このハイレゾのものが最も良かったような気がします。では図書館のものは無駄だったのか?そんな事はありません。この演奏にめぐりあうための前段として、図書館の音源があると思うのです。ですから無駄どころか、必要なことだったと思います。この3つに関しては44khz/24bitとじつはCDそのものの音質となっており、実に明確に再現されているなと思います。96khz以上がいいとは思いますが、これくらいでもいいんじゃないかって思います。マスターテープがあるんだったらそりゃあ96kh以上のほうがいいと思いますが、ない場合、CDとおなじ音質のものが単に「折りたたんである」ほうが持ち運びや保存に便利です。レコード業界の方たちは、ユーザーがハイレゾに求めるものが音質のみなのかどうかを、しっかりとリサーチしてほしいなって思います。




聴いているハイレゾ
フリッツ・クライスラー作曲
シンコペーション
ベートーヴェンのテーマによるロンディーノ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリンとピアノのためのロンド ト長調WoO41
樫本大進(ヴァイオリン)
コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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