かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:メンデルスゾーン 交響曲全集4

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、メンデルスゾーン交響曲全集を取り上げていますが、今回から4回にわたって室内交響曲を取り上げます。

メンデルスゾーン交響曲を5曲書いたとされていますが、それは果たして正確なのかという問いは、学者の中からも出ているのです。なぜならば、メンデルスゾーンは第1番を出版した時、「第13番」と呼んでいるからです。

それは、弦楽のための交響曲をそれ以前に書いているからで、一楽章しかない第13番を数えなければ、12曲を書いているからで、その跡「第1番」を書いたからなのです。

かといって、その弦楽のための交響曲は決して習作ではありません。メンデルスゾーン家の日曜音楽会のためにという、目的があって書かれたものだからです。

弦楽のための交響曲 (メンデルスゾーン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3)

この第4集では、第1番〜第6番までが収録されていますが、聴いてみますと、ウィキではバッハの影響とだけ記載されていますが、バッハだけではなく、モーツァルトもその影響の一人であることが容易に想像できます。確かに対位法などはバッハの影響ですが、転調や休符の後の開始などは、むしろモーツァルトのティベルティメントを参考にしたと思われる部分が多々あります。

少なくとも、第4集に収録されている6曲はすべて3楽章形式です。この点からも、メンデルスゾーンが目指したのは前古典派〜モーツァルトの時代のシンフォニアもしくは交響曲であったことは明白です。だからこそ自然にバッハの影響は入ってきて当然であったろうと考えられます。

その上で、全曲まるでモーツァルトのディベルティメントです。それはまさしく、日曜音楽会のためという、サロンのための音楽だったからだと言えるでしょう。特にこの第4集に収録されている作品はその傾向が強くうかがえます。

中には楽章が連結しているものもあり、前古典派風とはいえ、しっかりとベートーヴェンなどの影響も受けています。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は交響曲であるという学者もいる昨今、この弦楽のための交響曲はがぜん注目を浴び始めています。

この弦楽のための交響曲に関してはクルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が担当しています。それは室内交響曲としては大出世だと言えます。そもそもメンデルスゾーン家のサロン用だった音楽が、あのライプツィヒ・ゲヴァントハウスで演奏されているのですから。それはある意味、このオーケストラにとってはごく自然なことでしょう。メンデルスゾーンが設立したオケであり、初代の音楽監督メンデルスゾーンだったのですから。

その誇りは、素晴らしいアンサンブルに滲み出ています。第1番〜第5番のようなダイナミックさよりも、アンサンブルの美しさが全面にでた、洒脱な演奏は爽快です。一つ難を言えば、元々はもっと小さなオケで演奏されていたはずで、この収録時にはゲヴァントハウス管もだいぶ編成は小さくしているのでしょうが、それでも大きいオケゆえにアインザッツが強く、それが若干すぎているきらいが見受けられるからです。ただ、さすがプロオケですが弱くするところはきちんと弱く、表現力はさすがです。

ただ、ゲヴァントハウス管が演奏するということは、これらの作品が後年様々な作曲家に影響を及ぼしていることをうかがわせるのですが・・・・・それはこのシリーズの最後に言及したほうがいいでしょう。




聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ作曲
弦楽のための交響曲第1番ハ長調MWV.N 1
弦楽のための交響曲第2番ニ長調MWV.N 2
弦楽のための交響曲第3番ホ短調MWV.N 3
弦楽のための交響曲第4番ハ短調MWV.N 4
弦楽のための交響曲第5番変ロ長調MWV.N 5
弦楽のための交響曲第6番変ホ長調MWV.N 6
クルト・マズア指揮
ライプツィヒ・ケヴァントハウス管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村