かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ラフマニノフ 24の前奏曲2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回はラフマニノフが作曲した24もの前奏曲集の第2集です。

後半であるこの第2集では、13の前奏曲作品32が収録されています。

前奏曲 (ラフマニノフ)
13の前奏曲 作品32
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95)#13%E3%81%AE%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_%E4%BD%9C%E5%93%8132

じつは、これ以外にもラフマニノフ前奏曲を作曲しているんですが、ショパン24の前奏曲に倣っているのは、この13の前奏曲作品32と、10の前奏曲、そして小品集第2曲ということになります。そのため、このアルバムではその3つしか収録されていません。

ですので、私自身、図書館でリッピングしたときにつけたメモ帳のアタッチメントには、題名を「ラフマニノフ 前奏曲集」とつけています。全集にしてしまうと、おかしなことになりますし、そもそもこのアルバムの趣旨にも反します。

24の前奏曲を一つの統一した作品とするのではなく、時間をおいて3つの作品として作曲するところに、ラフマニノフの一つのポリシーを感じます。24をひとまとまりにすることは相互に関連するという特色は出るものの、ではなぜ24に分けるのかという疑問が、ラフマニノフの中にあったのではないかって思うからです。

そのため、時間をおいて、作曲時期をずらすことにより、24もの作品一つ一つが、それぞれ違った性質を持つように意図したとすれば、なぜ3つに別れているのかも腑に落ちます。そこにラフマニノフが込めた気持ちや特色があるって私は思います。

演奏するリンパニーからもそれが感じられます。そもそも作曲はラフマニノフなわけですから、当然その時代の特色という影響を受けます。この13の前奏曲であれば、それまでの静かな雰囲気だけではなく多分にヴィルトォーソな部分も見受けられます。けれどもそれは決して全てではなく、一部に留まり、むしろラフマニノフの作品が持つロマンティックさのほうが目立つことはそれ以前に作曲された前奏曲たちと同じです。

その違った部分と同じ部分を、奇をてらわず真正面から自分の言葉で語っているんです。これは絶品ですね〜。最近上原さんもラフマニノフを収録し、しかもmoraから出しているってことはハイレゾなので、これも興味がありますが、このリンパニーもCD音質という限界の中で最大限の表現をしていると思います。

リンパニーなんて我が国はそれほど有名とは言えないと思うんですが、こういう演奏をするピアニストが普通にヨーロッパにはいるってことなんです。それは当たり前って言うかもしれないですけれど、では邦楽がめっきりメジャーではなくなった我が国においてはどうなの?ってことなんです。ヨーロッパだってメジャーな音楽はロックですしイギリスあたりならラップやフリースタイルです。そんな中でリンパニーのような自分の言葉で語る饒舌なピアニストがいるってことを、私達日本人はどのように捉えるのかってことです。

聴いて批判するだけってこともいいとは思います。けれども、それだけで変わるんだったら苦労しません。やはり「その場へ出かける」ってことが大切なんだと思います。それは演奏者の方にも努力が必要だとは思いますが、できればリサイタルに行って直接演奏者と触れ合うことが大切なんじゃないかって思います。そして其の場で伝えるだけの関係性の構築も。日本にはそういうサロン的雰囲気がクラシック演奏の現場に少ないことが、リンパニーのようなピアニストが出にくい一つの要因ではないかって思います。

哲学ももちろん演奏者には必要ですけれども、聴衆と演奏者との距離が適切に近いこともまた、必要なことだろうって思います。このリンパニーの演奏を聴きますとさらにその思いは強くなります。私自身、このブログを続けていくその過程において、少しでも実現できたらいいなあと思っています。




聴いている音源
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
13の前奏曲作品32
モーラ・リンパニ―(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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