かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ジークフリート・ワーグナー 管弦楽作品集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シリーズでジークフリートワーグナーの作品をご紹介しています。今回はその第2集をご紹介します。

この第2集ではよりジークフリートの作品の特徴がよく出ている作品がずらりと並んでいます。解説がほとんどネットでは拾えず、実は参照した以下のページも、本来は電子書籍の内容チラ見せでしかないんですが、まあ、内容はつかめます。

https://books.google.co.jp/books?id=lWZxDgAAQBAJ&pg=PA143&lpg=PA143&dq=%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92&source=bl&ots=Nlg6_zUzrm&sig=ACfU3U0DIP9YglKv7gVnF9QbkvP94vTLaQ&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjL47XJlpXhAhXFgrwKHT6vBBcQ6AEwAXoECAgQAQ#v=onepage&q=%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92&f=false

ただ、わたし自身はこの評論には賛成しません。というのは、全曲聴いているのがジークフリートのキャリアの内、まだ駆け出しの、父リヒャルトの影響が強い作品ばかりだからです。そこだけ切り取れば、そりゃあ、「あたしゃ父の亜流ですぅ」という作品ばかりになりますよ。なぜかって?それなら食えるから、です。簡単な話です。

作曲家だって神様ではありません。霞を食べて生活しているわけじゃないですから。だからこそ、食うためには聴衆が受け入れる作品を作らないといけない。ただそれだけです。娶った妻の、ジークフリート死後の行動を考えれば、ジークフリートを賛美していた人たちが何を求めていたかは、容易に想像がつきます・・・・・

この作品集のシリーズが優れているのは、そんなジークフリートの作品を年代を問わず収録している点なのです。これが、上記著者の方には理解できなかったようです。なぜ序曲集なのか、なんです。序曲ってなんだと思いますか?え?オペラの一番最初に演奏されるものですよね?って?まあ、確かに。

けれども、例えばです、アニメやドラマが好きな人達ならピン!と来ると思うんですが、主題歌って、その番組を象徴するものじゃないですか。言い換えれば、その作品を紹介するような音楽です。例えば、わたしの好きな「宇宙戦艦ヤマト」。

さらば〜地球よ〜

旅立つ船は〜

宇宙戦艦〜ヤーマート〜

宇宙のかなた、イスカンダル

運命背負い、今〜飛び〜たあつ〜

シリーズを通じてこの歌詞ですが、第1作でガミラス帝国による攻撃で放射線におかされ、人類滅亡まであと1年と迫ったところで、ヤマトがイスカンダルまで放射能除去装置を取りに行くということを、端的に表した名作だと思います。

オペラの序曲とは、このヤマトと同じく、「主題歌」と一緒なんです。しかも、大抵はオペラから旋律を抜き出すことになっています。言い換えれば、そのオペラを凝縮したものなんですね。もっと言えば、私達が見る映画やドラマはすべて、オペラからの影響を受けているということ、なのです。ですから、主題歌は当然、オペラの序曲からその形を借りているということになります。

その形を決定づけたのが、ジークフリートの父、リヒャルト・ワーグナー。良くも悪くも、この人の存在なしには20世紀以降のメディア(映画、テレビ)は語れません。ジークフリートも当然、そういった父の影響を強く受け継いでいます。けれども和声的には、不思議なことに、この第2集に収録されている作品でも、父の影響は年を追うごとに弱くなっていきます。確かに、最初期は父の影響が強いですが・・・・・

著者が父の影響が強いという作品も、それは一部でしかないことが、この第2集を聴いてよく分かるのです。となれば、ジークフリートの作品を単に父の亜流とだけ断ずるのはどうなんだろうなと、この第2集を聞けば聞くほど思います。一応、わたしもワグネリアンですので・・・・・w

父リヒャルトの作品がその後、ドイツを変な方向へと導いていきますが、息子ジークフリートはそれを予感するかのように、だんだん距離を取っていく。わたしにはそんなように聞こえます。それは演奏している指揮者とオケの、メッセージなのかもしれませんが・・・・・




聴いている音源
ジークフリートワーグナー作曲
歌劇「いたずら好きの公爵」第3幕への前奏曲
歌劇「陽気な兄弟」
 序曲
 ワルツ
 願望
 第3幕への前奏曲
歌劇「バナディートリッヒ」
 第1幕への前奏曲
 第3幕への前奏曲
歌劇「黒鳥の王国」第1幕への前奏曲
歌劇「妄想の犠牲」
 第1幕への前奏曲
 第2幕への前奏曲
ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮
ラインラント=プファルツ州フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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