かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ラフマニノフ 24の前奏曲1

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回と次回の2回に渡りまして、ラフマニノフが作曲した24の前奏曲を収録したアルバムをご紹介します。

このタイトルの「24」というのは24もの、という意味であり「24の前奏曲」という作品があるわけではありません。まずは第1集には前奏曲嬰ハ短調作品3-2と10の前奏曲作品23が収録されています。

とはいえ、このアルバムが「24の前奏曲」と名付けられているのには、それぞれが独立した作品でありながらも、ショパン前奏曲集に倣って24の別々な調性で作曲されているという点があります。

前奏曲 (ラフマニノフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95)

まずは第1曲。これは元々は幻想的小品集作品3です。その中の第2曲が前奏曲なのです。

幻想的小品集 (ラフマニノフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BB%E6%83%B3%E7%9A%84%E5%B0%8F%E5%93%81%E9%9B%86_(%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95)

そのため、おそらくラフマニノフは最初からショパンを意識したのではなく、あとからショパンと同じようにしたいと思ったのでしょう。この幻想的小品集から11年後、いよいよショパンに倣う最初の作品である10の前奏曲集作品23が作曲されます。

ここまでが前半として第1集に収められています。ただ、ラフマニノフも一人の作曲家であり、ソリストです。単純にショパンと一緒にしたくはなかったんだとおもいます。だからこそ、24曲を一気に一まとまりにはしなかったんじゃないかと私は推測しています。

構造的に複雑な部分や単純な部分が綾のように折り重なり、ラフマニノフのロマンティックさが前面に押し出されている作品ばかりです。それはピアノ協奏曲のような壮大さとは多少異なり、質素かつ壮麗な作品たちで、ショパンとは異なるとはいえ、その精神世界は似た方向を打ち出したかったのだなと思います。

演奏するはモーラ・リンパニ―。ロンドンのアビーロード・スタジオで収録されていますが、その分なのか、ppがとても繊細です。その上でffも力強く、しなやかで生命力に満ちた演奏になっています。ショパンに影響を受けつつ自分の言葉を貫いているラフマニノフのこれらの作品を、またしっかり咀嚼して自分の言葉で語る柔軟なアコーギクがまたすばらしい!しっかり適当に酔わせてくれます。

そう、過度に酔うことなく、距離もしっかり取られているのがまたいいんです。そこが私がリンパニーが自分の言葉で喋っていると考える所以なんですね。自分の言葉でしゃべらないと演奏はどこか誰かの真似になります。カラヤンの演奏を批判する人たちが陥りやすいのが、そのカラヤンの真似をしている指揮者たちはまったく批判しないってことなんです。カラヤンだけが一人悪者になってしまっているんですよね。本来ならなんで真似たのかを問わなくてはならないはずなのですが・・・・・

リンパニーの演奏にはそういう模倣がなく、自分の言葉でしゃべるからこそのアコーギクがついています。だからこそいやらしくないので美しく妖艶でさえあります。こういった演奏こそ、本来評価されるべきものだと思います。




聴いている音源
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
前奏曲嬰ハ短調作品3-2
10の前奏曲作品23
 前奏曲嬰ヘ短調作品23-1
 前奏曲変ロ長調作品23-2
 前奏曲ニ短調作品23-3
 前奏曲ニ長調作品23-4
 前奏曲ト短調作品23-5
 前奏曲変ホ長調作品23-6
 前奏曲ハ短調作品23-7
 前奏曲変イ長調作品23-8
 前奏曲変ホ長調作品23-9
 前奏曲変ト長調作品23-10
モーラ・リンパニ―(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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