かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:バッハ オルガン作品全集11

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、イソワールが演奏するバッハのオルガン作品全集を取り上げていますが、今回はその第11集です。

この第11集では、6つのソナタのまず5曲、BWV525から529が収録されています。最終稿は1730年に成立したと言われる、バッハのオルガン曲の中では珍しい世俗曲です。

6つのトリオ・ソナタ
https://ja.wikipedia.org/wiki/6%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF

トリオであることもさることながら、言うなれば平均律クラヴィーア曲集と同じような位置づけになる作品だと言えます。技巧的でありながらも、様々な顔を持っているさくひんでもあります。透徹した部分や可愛らしい部分など、たんに「精神性」とかいうどこか敷居の高いものというイメージとはまた違った作品だと言えるでしょう。

だからこそですが、イゾワールはここでもシンプルに繊細な演奏を繰り広げています。自分の譜読みを信じて、決して力任せの圧倒的な演奏に偏ることなく、しっかりと地に足を付け、作品が持つ多様性を引き出しています。

こういうった多面性は、宗教曲であろうと世俗曲であろうと、バッハの作品の特色だと思います。特にこういった連作ものでは。そういった伝統が、例えば後年ラフマニノフが24もの前奏曲を作曲するときに決して一まとまりにはしなかったことにつながっているのではと思います。バッハが各作品に個性を与えているのなら、私ならどのようにそれぞれを色付けしようか・・・・・ラフマニノフは考えたに違いありません。

そういった広がりまでも、演奏者がしっかりと認識した上で、では自分はどうするのかをしっかりと踏まえた演奏は実に爽快です。教会のなかなのに青空のもと演奏しているかのような錯覚すら受けます。

イゾワールの演奏には毎度驚かされます。繊細でかつ自在で、しなやかで壮大。圧迫感がなく、そこに人間がいる。壮大な中にポツンと人間がいるのに、その存在感は半端ない。まるで大迫並で。そんな演奏を味わえるなんて、なんと幸せなことでしょうか!

ということは、イゾワールの中に宗教者バッハという視点は少ないと言えるのではないでしょうか。人間バッハしかいないんだと思います。その人間が書いたものとの真摯な対話がこの演奏なんだと思います。となると、圧倒的な演奏が革命的なんてことは、危険なことなのではないかと思うんですが・・・・・・




聴いている音源
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
6つのソナタ
ソナタ第1番変ホ長調BWV525
ソナタ第2番ハ短調BWV526
ソナタ第3番ニ短調BWV527
ソナタ第4番ホ短調BWV528
ソナタ第5番ハ長調BWV529
アンドレ・イゾワール(オルガン)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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