かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:バッハ オルガン作品全集5

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、バッハのオルガン作品全集を取り上げていますが、今回はその第5集になります。コラールの2つ目、です。

末尾に収録曲を上げておきますが、カンタータでよく知られた曲が多いことに気が付かれる人もいるのではないかと思います。ある意味そればバッハの音楽を難解とさせてしまう原因でもあったりシますが、わかってしまえばなんてことないんです。そもそも、コラールを使ってバッハはカンタータを作曲し、オルガン曲も書いたのです。

まさに、バッハの音楽は宗教音楽に関しては敬虔なプロテスタントとして、なのです。それがこのオルガン曲のラインナップからも明らかなんですね。

途中何曲かプレリュードとフーガが収録されていますが、それもコラールを使った作品だからこそ、です。プロテスタントキリスト者として、自然とコラールを使い、展開しているので、オルガン曲とカンタータで同じ題名があるってわけです。もちろんそれは同じコラールを使っているからこそだったりするわけです。

それさえわかってしまえば、後はその元々のコラールをどのように使っているのかとかがワクワクしたりします。え?あなたはキリスト者じゃないですよねって?ええ、そのとおりです。でも、バッハのコラールを使った作品は、後年それは変奏曲という形の基礎となるわけです。

例えばです、私達は子供の時、よく「猿、ゴリラチンパンジー♫」と歌っていたことがあるかと思います。でもそれって、そもそもがクワイ河マーチですよね?その替え歌なわけです。実はバッハがやっていることはそんな替え歌といっしょなんです。それを神を賛美する手法として使っており、どこもふざけていないだけ、なんです。ね、バッハって作曲家、どこか共感できるでしょ?

え、でも、バッハの音楽は真面目だろって?ええ、そうですね。でも、「サル〜ゴリラチンパンジー〜♫」と構造は一緒なんです。人が音楽を楽しむ、親しむその構造を使って、バッハは神を賛美しているってことなんです。とても人間的です。

だからこそ、この第5集でもイゾワールは決して力任せではありません。もちろん、圧倒的な音もあります。しかし繊細な音も数々あるのです。それはそもそもが作品が決して音で圧倒するものばかりではないからです。どうもある演奏家の奏法だけが絶対というものが、賛同する人にも非難する人にもあるような気がしてなりません。その圧倒的に力任せな演奏だけが、バッハへのアプローチなんですか?

図書館で借りてくるということは、場合によっては複数の演奏を借りてきて、比較できる、しかもそれが利用料も取られずに私達の税金によって賄われているってことを意味します。PCさえあれば、CDを買うことなく様々な演奏を聴き、比較することができます。それはひいては、私達が演奏家や作曲家たちとの対話が、安価で可能(しかもただ!)であることを意味します。今やPCがアンプになる時代です。ハイレゾはそれを前提にすらしています。まだまだデッキでという時代ではありますが、近い将来確実にPCががアンプになるでしょう。そんな時代に、なぜ図書館を利用しないのでしょう?

私はじつはバッハのオルガン曲は複数借りてきており、これはその1つ目でしかないんです。そこで比較することで、私自身の囚われを手放し、演奏家、作曲家とじっくり対話できるのです。決して私は裕福ではありません。それでもこれだけのブログを書き、作曲家や演奏家と対話できるのはひとえに図書館があるおかげです。ここで取り上げている図書館の司書さんたちには本当に感謝しています。

コラールが使われている作品を聴くということは、単に宗教曲を聴くというだけではなく、バッハの場合、私達と同じ人間であるということを確認する作業だと言ってもいいでしょう。そんな音楽を、しなやかに美しくかつ壮大にイゾワールが演奏しているのに、聴かないなんてもったいないと私は思います。もっと図書館を利用しましょう!CDを借りるってことは図書館法の精神にまさに叶うことですから!




聴いている音源
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
�@プレリュードとフーガ ニ長調BWV532
�Aファンタジア「キリストは死の縄目につながれたり」BWV695
�Bコラール「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV706a
�Cフゲッタ「キリストを われらさやけく頌め讃うべし」BWV696
�Dプレリュードとフーガ  ヘ短調BWV534
�Eフゲッタ「神の子はきたりたまえり」BWV703
�Fコラール「われはいずこにか逃れゆくべき」BWV694
�Gコラール「われら皆一なる神を信ず」BWV765(偽作?)
�Hプレリュードとフーガ ト短調BWV535
�Iフゲッタ「主キリスト、神のひとり子」BWV698
�Jファンタジア ハ短調BWV562
�Kフゲッタ「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV699
�Lフゲッタ「讃美を受けたまえ、主イエス・キリスト」BWV697
�Mコラール「ああ、主なる神よ」BWV714
�Nファンタジア「イエスよ、わが喜び」BWV713
�Oコラール「主キリスト、唯一の神の子」Ahn.55
�Pファンタジアとフーガ ハ短調BWV537
アンドレ・イゾワール(オルガン)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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