かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜フラッシング・ウィンズ ヤン・ヴァン・デル・ロースト作品集

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はヤン・ヴァン・デル・ローストの作品集であるアルバム「フラッシング・ウィンズ」を御紹介します。

それ誰ですかって、クラシックファンなら普通に出ますよねえ。私もその一人でした。たまたま私は吹奏楽に興味もあるので借りたわけなんですが・・・・・だって、借りた理由が、演奏が大阪市音楽団だったから、なんです。

http://shion.jp/

Osaka Shion Wind Orchestra
https://ja.wikipedia.org/wiki/Osaka_Shion_Wind_Orchestra

現在は、オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラが正式名称です。そもそもは戦前の陸軍第4師団音楽隊が前身の楽団です。そのためか戦後は大阪市が運営してきましたが、橋下氏の改革で財団法人化され現在に至っています。

実は、この橋下改革がこのアルバムを借りた直接の理由になっているんです。そもそも自衛隊を賛美する橋下氏が、そもそもは戦前の軍楽隊にルーツを持つ楽団を、市より切り離す・・・・・おかしくないか?という疑問が私の中にあったんです。

そこに、図書館で見つけたのが、このアルバムだったのです。なら、聴いてみようと思ったのです。恐らく、クラシックの指揮者も多く振っていることが、橋下氏は気に入らなかったんでしょうが・・・・・

しかし、海外の評価は違います。クラシックの歴史を紐解く時、多くの作曲家がマーチを作曲し、ブラスバンドが演奏していることに気が付きます、例えばベートーヴェンも軍楽隊のためのマーチを書いています。

そんなことを知っている指揮者は評価が違う訳なんですよね。そんな一人がベルギーの作曲家であるヤン・ヴァン・デル・ローストです。

ヤン・ヴァン・デル・ロースト
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88

この人は、ブラスバンドのほうで有名なんですが、そもそもはクラシックからそのキャリアを始めていると言っていいでしょう。日本の誇りと言うのなら、こういったことをなぜ大阪の人たちは誇りに思わなかったのかが不思議でしょうがありません。

実はこのアルバム、当時の大阪市音楽団の第92回定期演奏会の模様を収録したものなんです。その時に幾つかの作品の日本初演も果たしています。そのあたりはもうヴォリュームが多くなりすぎますので、以下のサイトを御紹介するに留めたいと思います。ほぼ全作品が載っているのは素晴らしいです。漏れているのはこのアルバムに収録されている「オマージュ」だけだと思います。

http://www.janvanderroost.jpn.org/music_search.html

タイトル作品である「フラッシング・ウィンズ」も生き生きとした作品ですし、シンフォニック・バンドが演奏するに相応しい作品がずらりと並んでいると思います。上記サイトで漏れている「オマージュ」はアヴェ・マリアの旋律からの引用もあり、クラシック・ファンにも楽しめる作品たちばかりだと思います。

それら作品を、大阪市音楽団は素晴らしいアンサンブルは当然として、生命力溢れる演奏で表現しているんです!自衛隊のように少し上品ではなく、そもそものルーツである軍楽隊の力強さをそのままに、美しさを内包し、しかもしなやかでもあります。人間の喜怒哀楽を存分に歌い上げるその演奏こそ、大阪の人たちが誇りに思うべきだと思うんですが・・・・・まだ、そういう演奏を誇りに思うだけの歴史は、この国は重ねていないのかもしれません。

ヴァン・デル・ロースト自身が指揮しているせいなのかもしれませんが、楽団からのレスポンスは素晴らしいものがあります。わたしなら、こういった演奏こそ誇りに思います。ちなみに、オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラは、「宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち」のオープニングの演奏をしていると付言しておきましょう。




聴いている音源
ヤン・ヴァン・デル・ロースト作曲
アルゴナ序曲
ケベック〜ボレアル・ラプソディ〜
リクディム〜4つのイスラエル舞曲〜
フラッシング・ウィンズ
オマージュ
タンツィ〜3つのロシア舞曲〜
カステラム
「セント・マーティン組曲」より第2楽章
アルテミス
ヤン・ヴァン・デル・ロースト指揮
大阪市音楽団(当時。現オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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