かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ブラームス全集から 合唱1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から4回に渡りまして、ブラームスの合唱曲をまとめて取り上げます。

神奈川県立図書館は全集ものは作曲家別のことが多く、このブラームスにしてもそうです。その「ブラームス全集」から合唱曲だけを借りてきてまとめた、と言うわけなのです。

ブラームスと言えば交響曲のイメージが強いのですが、このブログでもそれ以外のジャンルを積極的に取り上げてきました。特に室内楽と合唱曲は重点的に取り上げています。

マイ・コレクション:ブラームスの合唱曲集
https://yaplog.jp/yk6974/archive/738

この中で、神奈川県立図書館にも同じようなものがあるのですがと言及しているのが、実は今回ご紹介するシリーズなのです。

ブラームスは当時有名ピアニストでもありましたが、だからこそなのですが、室内楽ソナタなど)や合唱曲(ピアノ伴奏)などでもその才能を発揮していたのです。

ですから、ブラームスが合唱曲を作るのはごく自然なことでした。

まず第1集には、アマチュア合唱団だと一度は歌ったこともあるかも知れない「マリアの歌」が収録されています。上記エントリでご紹介しているデイヴィス指揮のものにも収録されている有名な作品で、アカペラですが実にうつしく透明感に溢れつつも、生き生きとした作品です。

げんの クラシック音楽を 聴こう
ブラームス  『マリアの歌』 作品22
https://ameblo.jp/pastabrightness/entry-11617364783.html

マチュア合唱団では、原語で「マリエンリーデル」と呼ばれているのがこれで、キリスト教的かと思いきや、どちらかと言えば民謡に題材をとった作品です。もっと言えば、マリアを讃える民謡がドイツには残っている、ということを意味します。

だからなのでしょうか、ブラームスはこの作品をアカペラで書いたのだと思います。特にこの第1集にはそういったアカペラ作品が収録されており、宗教的な作品が多いのが特徴です。アカペラと言えば私たち日本人はもっと古い音楽であるグレゴリオ聖歌を想像してしまうんですが、ブラームスはそのグレゴリオ聖歌を十分意識しつつも、プロテスタントとして、そしてドイツ・ロマン派の作曲家として、その背景に即した作品を、指揮する合唱団のために書いたのでした。

アヴェ・マリア作品12と詩篇第13篇 作品27、そして宗教的歌曲 作品30の3つはオルガン伴奏ですし、中にはホルン伴奏まであります。教会音楽を新しい時代に合わせようとするブラームスの意気込みを感じることができる作品ばかりです。

ブラームスは保守的だと言われますが、確かに大きな歴史の流れの中では保守的だと言えるでしょう。しかしながら、かといってブラームスは後期ロマン派の時代にバロック音楽を書いていたのではありません。あくまでも後期ロマン派の作曲家の中で、比較的古い音楽を書いていただけで、実に革新的なこともやっているんです。特に若い時期には思い切った作品も多く、そんな作品がこの第1集にはずらりと並び、私たちにブラームスという作曲家の、ともすれば忘れがちな一面を教えてくれます。

演奏するはこれも放送合唱団であるハンブルク北ドイツ放送合唱団。管楽はハンブルク北ドイツ放送交響楽団の団員です。それに合わせているオルガンの何とステディで清潔なことか!それでいて血が通っている温かい音楽になっているのはさすがです。合唱団も管楽もともに美しいだけでなく人間の鼓動すら感じます。特に第2曲の「埋葬の歌」は、慟哭がしっかりとこちらに伝わってきて、ブラームスの若き情熱がひしひしと伝わってきます。

こういう実力のある放送合唱団が多いのがヨーロッパ、とくに中欧の特徴だと思います。特にドイツは各州に実力のある放送合唱団があり、生命力あふれる演奏を聴かせてくれますが、このブラームスでも同様です。果たしてこれが次でも同じなのか・・・・・待たれよ次回!




聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
アヴェ・マリア 作品12(女声合唱とオルガンのための)
埋葬の歌 作品13(混声合唱、管楽とティンパニのための)
4つの歌 作品17(女声合唱、ホルン2とハープのための)
マリアの歌 作品22(混声合唱のための)
詩篇第13篇 作品27(3声の女声合唱とオルガンのための)
2つのモテット 作品29(5声の混声合唱のための)
宗教的歌曲 作品30(4声の混声合唱とオルガンのための)
ゲルハルト・ディッケル(オルガン、作品12、27、30)
ヤン・シュレーダー、ハンス=ウルリヒ・ヴィンクラー(ホルン、作品17)
ユリア・ライネス・ハーン(ハープ、作品17)
ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
ギュンター・イェーナ指揮
ハンブルク北ドイツ放送合唱団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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