かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:メシアン コンセール・ア・キャトル他

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はメシアンのコンセール・ア・キャトル他が収録されたアルバムを御紹介します。

この音源を借りた時、少しだけメシアン祭りと私はなっておりまして、いくつか音源を聴きまくっていたように思います。メシアンの作風を代表する作品と言えばトゥランガリーラ交響曲ですが、ここに収録されている作品たちも基本的には同様に「色彩感」溢れる作品たちとなっています。

とは言え、このアルバムに収録されているのは、メシアンの没年近くと戦争の時期に作曲された作品たちばかりです。そこにはメシアンの色彩感が自在に使われつつ、その中に透徹さすら感じる透明感も存在することに気が付かされます。

特に顕著なのが、2曲目の交響的瞑想「忘れられし捧げもの」です。時として激しさすらある作品は、トゥランガリーラの感じで聴きますと少し面喰うのではないでしょうか。第1曲目のコンセール・ア・キャトルも編成的には実は古典的なのですが、メシアンの和声にかかれば色彩感に感情すら備わっているのではと思わんばかりです。

そんな作品たちを指揮するのは、チョン・ミュンフン。以前トゥランガリーラの時にも登場した指揮者ですが、メシアンを降らせたら素晴らしいです。特にここに収録された作品たちは、感情すら備わっていると考えていいので、難しい作品たちばかりだと思いますが、それを見事に生命力あふれるものとして、そして時には透徹さが全面に押し出され、表情が豊かです。

オケはパリ・バスティーユ管弦楽団。それほど有名ではないオケですが、こういうオケを振らせたらぴか一なのがチョンです。さすが各地の歌劇場で苦労してません。オーケストラビルダーとしてもすでに一流と言っていいだけの力量を備えたチョンだからこそ、オケに存分に歌わせますし、どこの有名オケなんだ?とついパッケージを見てしまいます。

ベートーヴェンのように、まさに感情が詰まった作品ならまだしも、色彩と感情が入り混じり、あたかも見た目は美しい絹のような作品で、生命力あふれる指揮はなかなかできるものではありません。特に後半2曲は感情との距離感が難しい作品が並んでおり、オケに生命力を得るよう表現を求めるのはなかなか冒険のはずで、だからこそ聴いていて唸ります。

メシアンはともすれば、その色彩感でちょっとぶっ飛んでんじゃないの?と誤解される作曲家だと思いますが、底に実は巧妙に隠された表情があることを、チョンの解釈とオケの表現は教えてくれていると言っていいでしょう。




聴いている音源
オリヴィエ・メシアン作曲
コンセール・ア・キャトル(1990-1991)
交響的瞑想「忘れられし捧げもの」(1930)
ほほえみ(1989)
輝ける墓(1931)
カトリーヌ・カンタン(フルート)
ハインツ・ホリガーオーボエ
イヴォンヌ・ロリオ(ピアノ)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
チョン・ミュンフン指揮
パリ・バスティーユ管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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