かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:メシアン 峡谷から星たちへ・・・

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はメシアンの「峡谷から星たちへ・・・」を集録したアルバムを取り上げます。

メシアンと言えば、「トゥランガーリラ交響曲」で有名ですが、この峡谷から星たちへ・・・も、同じ系統の作品であると言えるでしょう。一つ異なるのは、この作品には明確なイメージがあって、それをメシアン流に表現したものだと言う事です。

その意味では、わたしはこの作品にドビュッシーの影を感じるのですが・・・・・

峡谷から星たちへ…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%A1%E8%B0%B7%E3%81%8B%E3%82%89%E6%98%9F%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%B8%E2%80%A6

大栗博司のブログ
峡谷から星たちへ
https://planck.exblog.jp/18333446/

二つ目のエントリは素晴らしいと思うんですが、付言しておきますと、この作品、・・・が入るのが正式です。ウィキでもそうなっているはずです。

その「・・・」の意味が分かる解説が、二つ目のエントリ、なんです。この二つを読んでみないと、恐らくブックレットがない場合、この作品が何で「・・・」が入るのかが分からないまま、聴いてしまう可能性があると思います。まあ、それでもいいようには作曲していると言えますが・・・・

ドビュッシーの作品には、実は明確なイメージがあるのです。だから前回の「東京の図書館から」でも、ドビュッシー象徴主義であり印象派ではないと書いたかと思います。メシアンはさらに進んで、象徴主義的なんだけれども、印象派に近い作品だと言えるでしょう。

その点では、私から言わせれば、メシアンのほうがよほど印象派です。と言っても、作曲は20世紀も後半ですから、当時の様々な運動に影響を受けた、万華鏡のような音楽です。

カップリングの二つの作品も同じ系統で、正にメシアン・ワールド全開。でも全然難しくなんかなく、解説を読んで耳さえかたむければ、同じ地平に立っている私たちがいる、という仕掛けになっているのが素晴らしい!

実はこの音源、2枚組で、長い作品なんです、峡谷から星たちへ・・・という作品は。でも、その長大さが全く気にならないのは、作品が持つ魅力と、その魅力を上手に引き出している指揮者サロネンと、ロンドン・シンフォニエッタの実力でしょう。端的に鳴らしているのに、全体として歌うんですよね。それは作品の構造をよく知っていないと難しいと思います。

私たちはどうしても「カンタービレ」する作品が好きなんです。それはしょうがないです。でも、メシアンは決してカンタービレしないのに、色彩豊かで、生命力あふれる作品を生み出しています。じつはちょっとだけ各パートはカンタービレしているんですが、それは目立ちません。でも、小さなものも積もればなんとかというように、小さな目立たないカンタービレが、巨大なカンタービレとなって、生命の喜びを歌い始めます。

そのあたりの理解が抜群なんです!メシアンの作品の魅力を存分に伝える、素晴らしい音源だと思います。




聴いている音源
オリヴィエ・メシアン作曲
峡谷から星たちへ・・・
異国の鳥たち
天の都市の色彩
ポール・グロスリー(ピアノ)
マイケル・トンプソン(ホルン)
エサ=ペッカ・サロネン指揮
ロンドン・シンフォニエッタ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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