かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:中村紘子が弾くショパンのピアノ協奏曲

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回は中村紘子が弾くショパンのピアノ協奏曲を御紹介します。

実は、以前もショパンのピアノ協奏曲は第1番、第2番とご紹介しています。

神奈川県立図書館所蔵CD:ショパン ピアノ協奏曲第1番・第2番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/742

なのになぜ、この音源を借りてきたかと言えば、一つにはその時上記エントリの音源が聴ける状況になかったこと、そしてもう一つには、1つ目の情況であるならば、思い切って他の演奏も聴いているのも、いいのではないかと思ったのが理由です。

当時、私はクラシック音楽が聴けない環境下にありました。毎日ヒップホップやレゲエなどしか聴けない状況。そんな中、唯一の楽しみが、県立図書館へ行き、自分の人生をふりかえるために書きつける「棚卸」の作業だったのです。そのついでに、県立図書館でCDを借りて、自分で買った携帯音楽プレーヤーに音楽を入れ、クラシック音楽を楽しむことだったのです。

県立図書館に行かなくても書こうと思えばかけたのですが、書いていると誰かが邪魔をするような状態だったので、あえて県立図書館まで行き、地下1階の自習室にこもり、棚卸のノートを書き、自分の半生を振り返り、自分がどのように感じていたか、そして今はどう思うのかをふりかえっていました。

そんな中で最も重要な音楽が、第九以外のクラシック音楽だったのです。しかし、その時PCも使える状態ではありません。他のPCを借りなければ行けない状況でした。そのため、限界まで借りると言うことはなかなか難しく、厳選して借りる必要がありました。

そのため、今自分が何を聴きたいのかが、その時とても大切だったのです。丁度、ショパンのピアノ協奏曲が無性に聴きたかったのです。そこで図書館の棚で見つけたのが、この演奏だったのです。

上記エントリでも言及しましたが、当時アルゲリッチのピアノがどうしても納得いかなかったのです。それはまるで自分の強迫的なものが目の前に呈示されているような気がして、気が乗らなかったのです。そこで思い切って、日本人ピアニストの中村紘子のを選択したのでした。

しかし、この演奏を聴いて、また私は少し落ちてしまったのでした。どうして私は食わず嫌いなんだろう・・・・・

どこかで、中村紘子を蔑んでいた自分に気が付いたのでした。演奏はそんなことないんです。むしろ、第2番なんてすごく素晴らしい作品に聴こえます。それはピアニストの手腕でもあるわけです。

また指揮者もそれほど有名ではないフィストラーリ。でも、ロンドン響はそれでも素晴らしいアンサンブルですし、それが中村紘子のピアノとバッチシなんです。まあ、欠点を言えば日本人女性なのでタッチが多少弱いってところでしょうか。それを抜かせばそれほど問題にしなければならないほどの演奏ではなく、むしろ自然と作品の美しさが浮かび上がるんです。

今聴きますと、アルゲリッチよりも本当に素晴らしい演奏ですし、むしろ今聴く方が、ピアノの音色にあれ?って思う部分もありますが、繰り返し聞いてみればそれは全く気が付かなくなり、演奏の美しさ、解釈の深さが記憶に残る、素晴らしい演奏なのです。多分、ピアニストが指揮者と共感しているからこその職人芸なのでしょう。

あの棚卸をしていた時期がなければこの演奏と巡り合わず、自分がいかに食わず嫌いだったのかをふりかえることはなかったと思います。カラヤンの演奏に対して批判的であっても、拒否をしない今の自分が出来上がったのは、この演奏に巡り合ったからと言っても過言ではないかと思います。

思い出します、石巻へ被災者支援からの帰り道、この演奏を聴きながら、語り合ったのを・・・・・




聴いている音源
フレデリック・ショパン作曲
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
中村紘子(ピアノ)
アナトール・フィストラーリ指揮
ロンドン交響楽団


地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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