かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:グリーグ 抒情小曲集1

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介していますが、館野泉氏が弾くグリーグの抒情小曲集の、CD1を取り上げます。

グリーグと言えば、何と言っても有名なのはペール・ギュントですけれど、実はグリーグという人は、元々ピアニストだったんです。

エドヴァルド・グリーグ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0

ペール・ギュントのイメージで管弦楽作品を思い出すことが多い訳なんですが、圧倒的に多いのはピアノ曲であり、そしてそのほとんどが、この抒情小曲集なのです。

抒情小曲集
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%92%E6%83%85%E5%B0%8F%E6%9B%B2%E9%9B%86

全10集(ですので、今回は第1集ではなく、CD1としました)、66曲にもなる、グリーグのメルクマールとも言える作品です。作曲された年代がほぼ生涯にわたっていることを考えますと、グリーグにとってこの作品は、ベートーヴェンにとってのピアノ・ソナタと同じ位置を占めるものだったと言えるでしょう。

以前から、グリーグのこの作品は聴いてみたいと思いつつも、数も多く、棚も使うことを考えますと図書館でって考えていたのですが、小金井にあるとは思いませんでした。この手のものは神奈川県立図書館かなあって思っていたのですから。ですが、神奈川県立図書館にはあったように思いますが、借りれずじまいで、では府中でとなると、府中市立図書館はこの手の全集ってあったりなかったりするんです。確かグリーグのこの抒情小曲集はなかったような気がします。

小金井市は決して大きい市ではないにもかかわらず、こういった味のある全集を持っているんです。素晴らしいと思います。

で、演奏するは館野泉氏であるわけです。これは日本人で唯一と言っていい、抒情小曲集を全曲録音した人であるわけなのです。いろんなピアニストが録音してはいますが、全曲録音し、しかもピアニストの解説付きで、日本人となれば、これ、いいかもと思い、借りたのでした。

簡単な説明は上記ウィキを参照すればいいと思いますが、あくまでもウィキなので、できればピアノ作品であればピティナを参照してほしいところです。一応、第1集だけを載せておきます。

グリーグ : 抒情小品集 第1集
Grieg, Edvard Hagerup : Lyriske smastykker No.1 Op.12
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/6005/

このCD1には、第1集〜第4集までが収録されていますが、本当はハイレゾで一気に全66曲をDLすると言ったほうが分かりやすいんです。なぜなら、第1集第1曲「アリエッタ」には、ウィキではこのような説明があります。

「この曲はおよそ34年後に、『余韻』として戻ってくる。」

どういうこと?って思いますよね。また第10集を御紹介するときに触れますが、実は第10集にリズムを変えて出てくるんです。それはグリーグの中で、抒情小曲集という作品が、一つの大きな作品となっていることを意味します。

それは一つの生命体と言ってもいいでしょう。館野氏はその生命体に命を吹き込むように、アコーギクを上手に使い、波が押し寄せるかのように演奏します。それは私たちの心にさざ波を起こし、じわじわと感動で埋めて来るんです。

疲れていても、作品を聴いていると、何となく慰められていく・・・・・不思議な感覚です。作品が持つ魅力だけではなく、存分に引き出している館野氏のピアノが素晴らしいんですね。まだグリーグが若い時期の作品たちですが、ショパンを好んだというグリーグの、詩的な部分が存分に出ていて、館野氏も意識してアコーギクを使っているように聴こえます。しかもそれが自然。だからこそ、たとえ疲れていても、すっと心の中に入ってくるんだと思います。

いやあ・・・・・ペール・ギュントが好きな私も、こっちのほうが好きになりそうです、ええ。




聴いている音源
エドヴァルド・グリーグ作曲
抒情小曲集第1集作品12
抒情小曲集第2集作品38
抒情小曲集第3集作品43
抒情小曲集第4集作品47
舘野泉(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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