神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はギター協奏曲集を取り上げます。
このブログでは初めて・・・・・と言いたいところですが、すでに1回取り上げているんです。モーツァルトと同世代の作曲家の時と、アランフェス協奏曲の時とです。
神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルト・リスペクト3
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1050
神奈川県立図書館所蔵CD:ロドリーゴのギター協奏曲
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1563
そもそもは、「モーツァルト・リスペクト3」の音源が始まりなんです。元々、ロドリーゴは知っていたのですが、ソルに触れたことが、この音源を借りるきっかけになっています。
で、この音源はソルよりも新しい作曲家を取り上げています。カルッリ、モリーノともに18世紀後半から19世紀前半を生きた人で、音楽史の中では古典派〜前期ロマン派で活躍した人ですが、ギターの歴史を考える時、正に古典派の作曲家だと言えるでしょう。
さらに、モーツァルトのヴァイオリン曲が二つ、ギター向けに演奏者であるロメロによって編曲されています。恐らく移調していると思います。
3楽章形式のこれらの作品は、確かに古典的です。その上で、実に魅力的でもあります。ギター協奏曲ももっと広まってほしいと思う作品ばかりです。
演奏も素晴らしいのです。ロメロの端正かつうたうようなギターは、まるで古典派以前のマンドリンを想起させますが、その上でオケに決して負けていません。古典派の協奏曲として、しっかりと存在感がある作品をしっかりと私たちに伝えてくれています。
その上で、通常はギターがオケの迫力に負けてしまい、音量が小さく感じるのですが、この演奏ではそんなことがありません。オケが聖マーティン・イン・ザ・フィールズという室内オケであることも理由の一つでしょう。作曲当時の編成に近い室内オケであれば、ギターの音量をそれほど気にせず演奏することができます。もしかすると複数マイクが録音時にあったかもしれませんが、それでもまるでピアノフォルテのような感じを受けつつも、バランス的には実に優れています。
こういった演奏を聴きますと、やっぱりガーディナー/イギリス室内というのは、あまり考えられていない録音だなあって思います。ピリオド演奏をとにかく聴かせればいいって感じは、私はあまり好きではありません。本当にそれはガーディナーの意図だったんだろうかって、最近では思うんですが・・・・・
まあ、ピリオド演奏がさらに広がりを見せた時期の録音ですから、仕方ないのでしょうが、モダンの演奏だってこんな素晴らしいピリオド的な者があるってことなのです。ピリオド演奏が好きな私だからこそ、むしろこのモダンの演奏は太鼓判です!
是非とも、神奈川県民の方は、県立図書館へGO!
聴いている音源
フェルディナント・カルッリ作曲
ギター協奏曲第2番ホ短調作品140「社交界の小協奏曲」
ギター協奏曲第1番イ長調作品8a
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
アダージョ ホ長調K.261 ギターとオーケストラのための(原曲:ヴァイオリン、ペペ・ロメロ編曲)
ロンド ハ長調K.373 ギターとオーケストラのための(原曲:ヴァイオリン、ペペ・ロメロ編曲)
フランチェスコ・モリーノ作曲
ギター協奏曲ホ短調作品56
ペペ・ロメロ(ギター)
アイオナ・ブラウン指揮
聖マーティン・イン・ザ・フィールズ教会アカデミー(アカデミー室内管弦楽団)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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