神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、コレッリの作品全集を採り上げていますが、今回はその第2回目です。
第2集に収録されているのは、トリオ・ソナタ作品2の全曲です。作品2としてまとめられているせいか、第1番の主旋律が第7番の第2楽章に移調されて登場したりします。
こういった点を見ると、少なくともトリオ・ソナタとしてまとめられたこの作品2に関しては、ある一体性、連続性をもって作曲された可能性が見えます。それでも、一つ一つが独立しても素晴らしいさくひんばかりです。
陰影も時としてドラスティックで、バロック時代とはいえ、次の古典派を用意しているかのようで、むしろ多感様式の萌芽すら見えます。当時の音楽先進地域であるイタリアという地域が、どれほど後世に多大な影響を与えたのかを知ることができます。
前回取り上げた作品1は教会ソナタで、今回取り上げる作品には室内ソナタとなっており、まるでモーツァルトのオルガン作品のようですが、勿論モーツァルトの時代がこのバロックの様式の影響下にあったということを意味するものです。
演奏するアカデミア・ビザンチナの技法は光っています。音の最後まで伸ばしつつ、音は小さくしていくなどは、それだけで表情が付いています。そのテクニックを自在に操り、陰と陽、短調と長調のコントラストがくっきりと浮かび上がることによって生命が宿り、生き生きとしてきます。
くり返しは小さくだとか、まるで古典派の演奏様式ですが、バロックでも同じであるという信念に基づいた演奏は、作品に明らかに正命を宿らせています。その生き生きたる演奏は、聴いていて爽快です。それでいて、どこか「生きててよかった」という安心感もある。素晴らしい演奏です。
確かに、様々こねくり回すのもいいと思いますが、こうすっきりとした演奏を聴くのも。また格別です。後期ロマン派の作品とはちがった、バロックならではの楽しみ方を、存分に楽しめると思います。
聴いている音源
アルカンジェロ・コレッリ作曲
2つのヴァイオリン、チェロまたはチェンバロのための室内楽トリオ・ソナタ集作品2
アカデミア・ビザンチナ
カルロ・キアラッパ(ヴァイオリン)
フランコ・アンドリーニ(ヴァイオリン)
マウロ・ヴァッリ(チェロ)
ロマノ・ヴァレンティーニ(ハープシコード)
パオロ・チェリーチ(アルチリュート、テオルボ)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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