神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、コレッリの作品全集を採り上げていますが、今回はその第7集を取り上げます。
さて、いよいよ作品6、合奏協奏曲の登場となります。合奏協奏曲に関しては、以前エントリを立てています。
神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲集1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1090
神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲集2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1091
神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲ピリオド1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1205
神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲集ピリオド2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1208
イ・ムジチのモダン、そしてラ・プティット・バンドのピリオドと来て、この全集では、恐らくモダンになっているかと思いますが、編成的にはラ・プティット・バンド以上にバロック的になっているのが特徴です。
作品の特徴については上記4つのエントリで散々語っていますので、この合奏協奏曲に関しては、いきなり演奏面を語ってしまいます。
何が編成上バロック的なのか。それは、アカデミア・ビザンチナのソリストたちに加えて、管弦楽(コンチェルト・グロッソ)が入っているという点です。この編成の方が、よりバロック的ですし、わかりやすいと言えるでしょう。
いや、イ・ムジチだって、ラ・プティット・バンドだって、十分バロック的なんですよ。でも、見えにくいでしょ?本来二つの団体だって、基本的にソリスト集団です。特にラ・プティット・バンドはそう言えるでしょう。チェロには、BCJの鈴木秀美氏も参加しているくらいです。ですが・・・・・
アカデミア・ビザンチナのほうが、それまでソナタを演奏していたソリスト集団は「コンチェルティーノ」と称し、オケは「コンチェルト・グロッソ」と呼んでおり、より分かりやすくなっているのが特徴なのです。このほうが、バロック期の演奏スタイルがどのようであったのか、そして、アカデミア・ビザンチナという団体がどのようなものなのかが分かりやすいと思います。いい傾向です。
その上で、参加している人たち、及びその人数も明らかで、バロック時代にどれくらいの編成で演奏していたのかということが、わかりやすいと思います。その上で、演奏は軽やかで明るく、生命力にあふれるもので、聴いているだけで幸せな気分になるのは素晴らしいです。
これこそ、バロックスタイルといえるこの演奏は、どこまでの青い空が広がっているかのようで、爽快です。作品の規模上の問題で、この合奏協奏曲も途中までの収録となっており、続きは次の第8集へと持ち越しになっていますが、そんなことを微塵も感じさせない演奏は、実に味わい深く、楽しいものです。
特に、バロック時代の作品は「楽しい」という側面を抜きにして語ることはできません。ベートーヴェンの作品のような荘厳さや荘重さはないですが、長調と短調のコントラストは見事な作品です。それをしっかりと聴衆側に味あわせてくれるのは誠に嬉しいことです。
こういう演奏を、バロックには期待したいものです。
聴いている音源
アルカンジェロ・コレッリ作曲
合奏協奏曲 作品6(第1番〜第6番)
アカデミア・ビザンチナ
コンチェルティーノ
カルロ・キアラッパ(ヴァイオリン)
フランコ・アンドリーニ(ヴァイオリン)
マウロ・ヴァッリ(チェロ)
オッタヴィオ・ダントーネ(ハープシコード)
パオロ・チェリーチ(テオルボ)
コンチェルト・グロッソ
エンリコ・カサッザ、ファビオ・カファーロ、パオロ・ツィンツァーニ、ドミニク・ズリィード(第1ヴァイオリン)
フランチェスコ・ドオラジオ、アンナ・モデスティ、ジュゼッペ・グイーダ、クラウディオ・ブルチアフェッリ(第2ヴァイオリン)
アレッサンドロ・タンピエーリ、アンジェロ・ニカストロ、マルコ・ジェマーニ(ヴィオラ)
パオロ・バッランティ(チェロ)
ジョヴァンニ・アッボンダンティ(ダブル・ベース)
ロマノ・ヴァレンティニ(オルガン、ハープシコード)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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