かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 作品全集9

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、コレッリの作品全集を取り上げてきましたが、今回はその第9集を取り上げます。

この第9集には、作品番号がないものが収録されています。それでも、WoO番号はふられていますので、正規の番号ではない作品を言うべきでしょう。

それでも、個性的な作品がずらりと並んでいます。特に、第1曲目のシンフォニアは、明らかに何かの序曲として使われた作品である構造を持ちつつも、楽章に分かれているようにもなっている点が特徴です。当時のシンフォニアの特徴をよく表していますが、それは一方で、当時の他の作曲家達や、後世の作曲家達に多大な影響を与えたと言っていいでしょう。

第2曲目のトランペットのためのソナタは、管楽器が用いられている点でバロック的で、バッハがカンタータを書く上で、参考にしたであろうなあと思われるような音の動きを持っています。

その他のソナタも実に味わい深いものばかりなんですが、それが作品番号がついていないというのは、まさに残った作品は修正に修正を重ねて、吟味されて残されたものだろうという推測を補佐するものです。私がきいていましても、「これでWoO番号?」って思う作品がごろごろしています。

やはりバロックを聴くのであれば、こういったコレッリの作品を聴くのはむしろ基本だなあって思います。その上で、巨匠であるバッハやヘンデルを聴くと言うのが、やはり王道だろうなあと思います。いや、ドイツバロックだけではなく、フランスバロックもですが・・・・・

ということで、此の後私はフランス・バロックへも傾倒していくのですが・・・・・・それはまた、後に話すことといたしましょう。

演奏するアカデミア・ビザンチナはふたたびソリストだけの集団になりますが、それでシンフォニアを演奏してしまうというのもすごいと思います。とはいえ、元々コンサートのメインは、モーツァルトの時代あたりまでは、協奏曲こそ主役であって、交響曲はわき役だったのですから、さもありなんです。なぜなら、シンフォニアソリストが居ませんが、協奏曲はソリストがいるから、です。あくまでもソリストの演奏を聴くということが主眼なんです。

それがベートーヴェンの登場で、全く逆になります。ベートーヴェン自身がソリストであったのですが、聴力をほぼ失ってから、ベートーヴェン交響曲をコンサートのメインに据えます。その延長線上にいる私たちは、なんでシンフォニアソリストだけの演奏になってしまうんだい!虐げられているって思いがちなんですが、それは違うんです。アカデミア・ビザンチナのメンバーはその音楽史を十分踏まえて、みずからの技術を演奏にささげ、作品が持つ魅力を存分に引き出すことに傾注しています。

その結果、演奏は美しくかつ楽しい、生命力あふれるものとなっています。さすがプロですね。こういった仕事はほれぼれします・・・・・

さて、コレッリの作品全集はここで終了です。少ない作品集でありながらも、どれもキラリと光る魅力を持っているコレッリの作品たち。それを見事に魅力的に演奏するアカデミア・ビザンチナ。至福の全集です。




聴いている音源
アルカンジェロ・コレッリ作曲
コンチェルト・グロッソのもう2つのヴァイオリン、ヴィオレッタ、バスをともなったコンチェルティーノの2つのヴァイオリンとチェロのためのシンフォニア ニ短調WoO.1
トランペット、2つのヴァイオリン、通奏低音のための4声のためのソナタ ニ長調WoO.4
4声のフーガAnh.15
2つのヴァイオリンとオルガンの通奏低音のためのトリオ・ソナタWoO.5〜WoO.10
4声のソナタ ト短調WoO.2
アカデミア・ビザンチナ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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