かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:プーランク バレエ音楽「牝鹿(めじか)」

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はプーランクの「牝鹿」をご紹介します。

この音源を借りた理由は二つです。まず一つに、ストラヴィンスキーの音楽や舞曲など、当時20世紀のバレエ音楽に興味を持ち始めていたこと、そして二つ目に、わたし自身がアマチュア合唱団員だったということです。

え、どういうこと?と思いますよね。じつはこの作品、合唱が付いているんです。

牝鹿
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%9D%E9%B9%BF

内容的に、どの時代でも取り上げられている男女の関係が描かれているのですね。その意味では内容が特に目新しいと言うことはないのですが、それをバレエにし、その上で合唱までつけてしまったという様式面が独創的なのです。

でも音楽はいやらしさよりは健全なエロスが漂い、プラトニックのような感覚さえあります。そもそも、タイトルは若い子という意味も持っており、隠語ではかわいこちゃんという意味もあるそうで、男である私としては、なーるほーどねーって思います。

いや、恋愛している時というのは、その先の男女の行為(所謂、セックスですね)までつい想像して、胸躍らせ、ドキドキするものです。こんな可愛い子とあんなことやこんなこと、うひひ・・・・・って感じです。それを、高い芸術性でもって表現し、その上で面白おかしく、楽しい作品として表現したのがこの作品だと言えましょう。

そもそも、注文したのがディアギエフであるという点からも、この作品が20世紀の舞曲の一角として位置付けられるのは当然のことと言えます。その中でも、和声とリズムに特徴あるストラヴィンスキーに比べますとおとなしそうに見えますが、様式としては独創的であるこの作品は、音楽で聴くだけではなく、是非とも映像で見てみたい作品の一つです。

それは県立図書館で借りて以来ずっと思っていることです。20世紀の舞曲に関しては是非とも、映像で見てみたいと思っています。作曲者は当然ですが、聴くだけではなく見ることも想定して作曲をしているはずだからです。それが映像の世紀とも言われる、20世紀音楽です。

この作品は20世紀音楽というよりは、作曲年(1923年)から言っても新古典主義音楽ですが、それでもバレエである以上は、見ることにも意味があるわけです。そもそも、バレエでも男女の関係は表現できるのに、なぜわざわざ合唱を入れるのか?

それは間違いなく、この作品のバレエ部分にヒントが隠されているはずなのです。だからこそ、実際に見てみたいと思っているわけなのです。それは10年くらい後に作曲される、オルフの「カルミナ・ブラーナ」へと真っ直ぐつながっているはずだと思っています。

演奏はプレートル指揮のフィルハーモニア管。豊潤な演奏は、ますます「合唱は何を意味し、バレエは何を意味するのか」という二つの性格付けに興味がそそられるものになっています。なかなかDVDもない中で、生きている間に実演を見ることができる機会が訪れるといいなあと思っています。プレートル程の巨匠が、合唱とバレエが意味するものを、考えず、或は知らずに指揮するとは思えないですし。

演奏自体は、カップリング曲のほうが素直に聴けるもので、メインはますます、実演見たい!となるのではと思います。これがプロの演奏というものですね。




聴いている音源
フランシス・プーランク作曲
バレエ音楽「牝鹿(めじか)」(全曲)
牧歌(「マルグリット・ロン讃」より)
パストゥレル(「ジャンヌの扇」より)
プロヴァンスの水夫の踊り(「カンプラへの花輪」より)
アンプロジアン合唱団(コーラスマスター:ジョン・マッカーシー
ジョルジュ・プレートル指揮
フィルハーモニア管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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