かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ラモー クラヴサン曲集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ラモーのクラヴサン曲集を取り上げていますが、今回はその第2回目です。

ラモーのクラヴサン曲集は5曲ありますが、じつはそれぞれ別の作品になっています。けれども、実際にはひとまとまりになっているという、実に人生のうちでクラヴサンが常に作品としてあった作曲家らしさが見えます。

それは、まるでベートーヴェンがピアノ・ソナタを人生の内でずっと書いていたということが想起されます。ラモーはドビュッシーだけではなく、実に多くの作曲家に影響を与えた人でした。

以下のHPでは、ラモーはハーモニー重視で、動的な音楽であると言及されていますが、誠にその通りだと思います。

ジャン=フィリップ・ラモー
Jean-Philippe Rameau
(1683〜1764)
http://2style.net/misa/kogaku/early041.html

ラモーという作曲家は、ある意味生まれてくるのが早すぎたのかもって思います。確かに、音楽史は単純から複雑へと移って行ったのは間違いありません。その代表選手がマーラーです。一方、ドビュッシーは既存の音楽よりも、バロック音楽に新しさを見出し、20世紀の新しい音楽を確立したのです。

チェレプニンや伊福部も、ドビュッシーの音楽がその大元にあると言っていいでしょう。リズム重視なのでラモーの当時からすれば対立勢力だと思いますが、ドビュッシーはそれを両者(フランス派とイタリア派)を対等に引き上げて、新しい音楽を作って行ったと言えます。

この第2集に収録されている、第4巻と第5巻になる、「新クラヴサン組曲集 第1番」と「新クラヴサン曲集 第2番」も、象徴主義的な標題が付いています。ドビュッシーよりも旋律的だと言えますが、それだけ、所謂「ブフォン論争」が不毛だったかが分かります。ラモーにとってそんなものはどうでもよかったのではないでしょうか。

この二つの曲集はそれまでの3つよりもさらに標題音楽の様相が強く、躍動感が作品に生命力を与えているのが特徴だと言えます。カップリングの二つの作品も、同様に躍動感あふれる作品です。

ラモー : 新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲
Rameau, Jean-Philippe : Nouvelles suites de pièces de clavecin
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/8858/

ラモー : 新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲
Rameau, Jean-Philippe : Nouvelles suites de pièces de clavecin
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/8865/

演奏するロシェは、その躍動感を大切にこの第2集では演奏しているように感じます。アコーギクも勿論ありますが、そのアコーギクによってまるでクラヴサンのためではなく、歌曲のようにも聴こえます。その上で躍動感を大切にした演奏は自然と生命力にあふれ、活き活きとしたものになっています。

個性的な演奏もいいと思うんですが、このロシェの演奏はそれほど個性的とは思えません。にも拘わらず、作品がもつ面白さや、生命力、躍動感と言ったものがしっかりと聴衆に伝わってきます。言をはじく楽器であるチェンバロで、アコーギクを効かせることだけでも、十分個性的で面白いと思いますけどねー

で、じつはその篌、ラモーのオペラ・バレを借りてくることになるのですが、それはまた、その時に触れることといたしましょう!




聴いている音源
クラヴサン曲集(またはクラヴサン曲集第2巻)(1730)
第4組曲イ短調
第5組曲ト長調
M.ラモーの小さなハンマー
皇太子妃(1747)
クリストフ・ロシェ(チェンバロ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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