かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ラモー クラヴサン組曲集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はラモーのクラヴサン組曲集を2回にわたって取り上げます。今回は第1回目として、前半3曲を取り上げます。

知っているひとからすれば、いきなりラモーへ飛ぶんですかと驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。印象派の時代からいきなりバロックへと飛ぶわけですから。どんな脈絡があって借りたのかと訝しがる方もいるかもしれません。

でも、私の中ではきちんとした関連があって、この音源を借りてきたのでした。理由は、先日まで取り上げていた、ドビュッシーにあります。

ドビュッシー前奏曲第2巻の中で、ラモーの「運指」を取り上げています。「交差する三度」がそれです。

前奏曲 (ドビュッシー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC)

前奏曲、或は12の練習曲は、いずれもドビュッシーバロック音楽を念頭に置いて作曲したものです。それだけ、ドビュッシーにとって、ラモーは尊敬できる作曲家だったと言えます。

私たちはどうしても、バロックと言いますとドイツ、或はイタリアを想像してしまうんですが、じつはフランスにも素晴らしい作曲家が当時たくさんいたのです。日本ではネームヴァリューが小さいのですが、ラモーは素晴らしい作品を数多くのこしています。

ラモー Rameau, Jean-Philippe [ フランス ] 1683 - 1764
http://www.piano.or.jp/enc/composers/81/

ジャン=フィリップ・ラモー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%BC

そもそも、バロックの時代においては、イタリアに次ぐ音楽先進国だったのがフランスなのです。ラモーはその歴史を思い起こさせてくれる作品が数多くあります。このクラヴサン曲集もそうしたものの一つです。この第1集では、そのうち第1巻として、第3組曲までが収録されています。

ラモー : クラヴサン曲集 第1巻(第1組曲
Rameau, Jean-Philippe : Premier livre de pièces de clavecin
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/8827/

ラモー : クラヴサン曲集と運指法 第1番(第2組曲
Rameau, Jean-Philippe : Pièces de clavecin avec une mèthode sur la mècanique des doigts
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/8837/

ラモー : クラヴサン曲集と運指法 第2番(第3組曲
Rameau, Jean-Philippe : Pièces de clavecin avec une mèthode sur la mècanique des doigts
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/8847/

見ていただくと大体お分かりかと思うんですが、じつはこの曲集は練習曲にもなっているんです。その上で、注目は第3組曲です。どこか、ドビュッシーの作品に並んでいる曲名が似ていると思いませんか?いえいえ、似ているのはドビュッシーの方なんです。こちらがオリジナルで、ドビュッシーは似せたのですね。

ここでのラモーの音楽は、コントラストが付いているいかにもバロックですが、標題をつけている点で先進性があると言えます。それはイタリアバロックの影響とも言えましょう。ラモーらしい作品だと言っていいと思います。

演奏するはロシェ。あまりアコーギクをつけることのないクラヴサン(つまりは、チェンバロ)で、けっこうアコーギクをつけているのが印象的です。それはまたとても自然で、伸びやかで歌曲の様です。しなやかさに富み、生命力が宿るものです。そして気品に満ち、作品の魅力をいかんなく引き出しているように思います。やれ音楽理論を確立した作曲家だの、当代随一の作曲家だのと、説明には踊りますが、ロシェは作品をまるで紡ぐように、作品そのものに向き合い、私たちに提示しているのは好感が持てるものです。

ここから、私のフランス・バロックへの興味は始まったと言っていいと思います。




聴いている音源
ジャン=フィリップ・ラモー作曲
クラヴサン集第1巻
第1組曲
第2組曲
第3組曲
クリストフ・ロシェ(チェンバロ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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