全て「クラヴサン曲集第4巻」が収録されていますが、最後の最後まで標題音楽が続きます。
こういう「楽しさ」が、ドイツの「精神性」という一言で彼方へ追いやられていたのは残念なことですが、ようやくわが国でも囚われが手放す聴衆が増えていることはとても喜ばしいことだと思っています。
第1集〜第10集までの10枚すべてに、「クラヴサン曲集」が入っていると言うこと自体、クープランが生涯力を入れたジャンルだったことを意味します。それは気品と幻想と愉悦と喜びを音楽に与え、後世に伝えるものです。
まるで絵画を表現したような表現でもあるこの第10集の各収録曲は、その後印象派においてドビュッシーなどに受けつがれ、新たな様式を確立することになります。どれだけ人々の心に残り、癒し続けてきたのかを物語ると思います。
ブーレイはこの第10集では丁寧に演奏をしているように思います。音楽自体が落ち着いたものが多いせいもあるのでしょうが、淡々と弾きながらも、気品をくずさず、かつ音楽の喜びが表現されています。それは自然と私達聴衆に伝播し、クープランの音楽に対する共感になっていきます。
こんなに楽しい音楽があるにもかかわらず、私は遠ざけていたんだなあと思うと、恥ずかしい限りです。フランス・バロックには、宝石が沢山詰まっている・・・・・・そんな気がします。そしてその宝石を、ブーレイと言う演奏者によって、たくさん与えられたことが、とても嬉しく、幸せに思います。
聴いている音源
フランシス・クープラン・ル・グランド作曲
クラヴサン曲集第4巻第24組曲(続き)
クラヴサン曲集第4巻第26組曲
クラヴサン曲集第4巻第22組曲
クラヴサン曲集第4巻第23組曲
ローランス・ブーレイ(クラヴサン)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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