かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ベルリオーズ ミサ・ソレムニス

今月のお買いもの、平成28年11月に購入したものを御紹介しています。今回は、ディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ベルリオーズのミサ・ソレムニスです。

ベルリオーズと言えば、宗教作品としては圧倒的にレクイエムが有名で、20世紀後半まではレクイエムくらいしか作曲していないとされており、私もそう思ってきました。ところがところが・・・・・

ミサ曲も作曲している、という録音に、店頭で出会ったのです。真偽はともかく、こいつは買いだと即決しました。本当はこういう作品こそ、図書館に持っておいてほしいところですが・・・・・

エクトル・ベルリオーズ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

「荘厳ミサ曲」
http://pietro.music.coocan.jp/storia/berlioz_missa_solemnis.html

しかもですよ、ミサ・ソレムニスだって言うじゃありませんか!ミサ・ソレムニスといえば、ベルリオーズに近い時代ではモーツァルトベートーヴェンも作曲しています。むしろ、ミサ・ソレムニスと言った場合、それら二人の作曲家のそれぞれを表わすことが多いわけです。

その中に、割って入るようなベルリオーズ。レクイエムも素晴らしいだけに、聴き手としては期待感が高まろうというものです。実際、この作品はベートーヴェンが亡くなった1827年に作曲されているという点に注目です。

そしてそれは、裏切られることはありませんでした。ただ、演奏するほうとしては難しい作品で、初演時も一度失敗しており、そのためクレドの「エト・レジュレクシット」の部分は書き直されており、出版はその改訂版でなされたほどです。この録音はライヴで、じつは作曲時のオリジナルに戻していますが、それゆえか、力のあるモンテヴェルディ合唱団も、練習中に歌えなくなる時があったと、ブックレットで指揮者ガーディナーが振り返っています。

破棄されたと言われてきたこの作品は、破棄されたというか、お蔵入りしたというほうが正確なのだろうと思います。優れた作品だと私は思いますし、確かに、前期ロマン派という時代に置いてはリズムが独特だったりします。でも、後期ロマン派にはさらに独特のリズムでもって宗教曲を書いた人がいました。同じくレクイエムを書いた、ヴェルディです。

調性はベルリオーズらしいなと思いますが、リズムに関しては私はやはりヴェルレクを想起しました。その意味ではやはり、ロマン派の作品だなあと思います。前期ロマン派らしい、堂々として、重厚で、かつ囚われの無い、素晴らしい作品です。

演奏するのはすこし言及しましたが、がーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク。合唱団はモンテヴェルディ合唱団と、ピリオドの力のある団体がそろっています。確かにリズム的に難しいこの作品を、難なく演奏するのはさすがだと思いますし、このミサ・ソレムニスが実に素晴らしい作品であり、今後演奏されるべき作品であることを如実に語っていると思います。合唱団はモンテヴェルディですから特にすばらしく、軽い発声なのにしっかりと力強い演奏が、この作品の宗教色をしっかりと表現していますし、ベルリオーズという作曲家の先進性を見事に表現しているのは素晴らしい!

徹底的に明るいその演奏は、勿論作品がそうであるからでありますが、それだけではなく、モンテヴェルディ合唱団とオケの絶妙なコンビネーションにもよるでしょう。ベルリオーズと言えば、ファウストの劫罰や、幻想交響曲、レクイエムなどでどこか近寄りがたいイメージがあると思いますが、そんなことはなく、この作品では明るさが全面に出ており、作曲し、そのことで神に奉仕する喜びがそこかしこに転がっており、オケと合唱団はその点がしっかりと演奏に出ているのです。それは間違いなく、演奏者全員の、ベルリオーズの失われていた作品を取り戻した喜びに他ならないだろうと思います。

にしても、やはりオルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークをはじめとするガーディナーのピリオドオケは、このような大規模作品こそ似合いますね・・・・・




聴いているCD
エクトル・ベルリオーズ作曲
ミサ・ソレムニス H.20
ドナ・ブラウン(ソプラノ)
ジャン=リュック・ヴィアラ(テノール
ジル・カシュマイユ(バス)
モンテヴェルディ合唱団
ジョン・エリオット・がーディナー指揮
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
(フィリップス PHCP-5227)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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