かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:フィビフ 交響曲第1番・第2番

今月のお買いもの、平成28年6月に購入したものを御紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、フィビフの交響曲第1番と第2番をご紹介します。

ナクソスから出ているこのCDは、フィビフという作曲家を知るうえでとても素晴らしい音源だと思います。

まず、フィビフという作曲家を御紹介するとしましょう。19世紀後半に生まれたチェコの作曲家で、基本的には国民楽派にカテゴライズされる作曲家ですが、ドイツで作曲を学ぶなど、様々な顔を持つ人です。生前はスメタナの後継と言われたのですが、実際はそうでもないというのが、じつはこのCDの内容です。

私としてはむしろ、反対のスタンスだったドヴォルザークに近いと考えています。

ズデニェク・フィビフ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BA%E3%83%87%E3%83%8B%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%93%E3%83%95

特に交響曲第1番でその傾向は顕著だと言えます。所々確かにスメタナのようにチェコ民族音楽が顔をのぞかせることはあるものの、その使い方はドヴォルザークに近いものがあるからです。フィビフ自身はどちらとも考えず、チェコの音楽を作って行こうと精進していたものと、私は考えます。

第2番は第3楽章のスケルツォが圧巻!ドヴォルザーク交響曲第6番や第7番を彷彿とさせます。第1番でのスタイルをさらに磨きあげたもののように聴こえます。

この二つの交響曲はともに第1楽章の冒頭部分が印象的で、序奏の後に第1主題が呈示されるという形を採っています。序奏部はともにpですが、第1主題が呈示されますとfになるという手法は、聴き手を引きこんでいきます。このあたり、さすがだなあと思います。

ドヴォルザークがあまりにも有名である故か、フィビフは近年まで日本ではあまり人気のない作曲家でしたが、ネット界隈を中心に人気が高まりつつあります。私もこの作曲家を知ったのは、ネットでの鑑賞会でのことでした。そこで聴いて以来、いつかは欲しいなと思っていた作曲家でした。

ようやく中古で手に入れられたのが、交響曲第1番と第2番が収録されているのでよかったと思います。できれば第3番と番号が付いていない作品も聴きたいなと思いますが、それはまたしばらく先のことになるでしょう。まあ、NMLでは聴けるかもしれませんが・・・・・

フィビフは決してスメタナの後継という感じではなく、むしろスメタナドヴォルザークの両方を取り入れて、仲を取り持つかのような作品を書いたと、この二つの交響曲からは見て取れます。私たちは当時のチェコの楽壇に囚われず、耳をかたむけていきたいものです。

演奏はモグレリア指揮ラズモフスキー交響楽団。スロヴァキアのオケから優秀な演奏家が集まって結成されたオケだけあって、初めて聴いた名前でも、ほう、いい演奏だなあと思うだけのクオリティを叩き出しています。作品が持つ牧歌性を十分表現し、歌っているのは素晴らしい!きちんと歌うのはじつは難しいのですが、さすがだと思います。

特にそれが出るのが、第2番第3楽章スケルツォ。フィビフの音楽的特徴が詰まっている部分できちんと演奏するのは素晴らしい!生き生きとしていて、作品に魂が込められていることが明白になっているのです。自然とそうなっているのがまた心地いい!

チェコのシンフォニストはドヴォルザークだけに非ず!ということを宣言しているような一枚です。




聴いているCD
ズデニェク・フィビフ作曲
交響曲第1番ヘ長調作品17
交響曲第2番変ホ長調作品38
アンドリュー・モグレリア指揮
ラズモフスキー交響楽団
(Naxos 8.553699)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村