今月のお買いもの、平成28年1月に購入したものをご紹介しています。今回は銀座・山野楽器にて購入しました、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの協奏曲集をご紹介します。
以前何度かご紹介しているフリーデマンですが、その性格ゆえに残っている作品が少ないと言う、大バッハの息子達の中では不運な人生を歩んだ人です。
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8
Fバッハ, ヴィルヘルム・フリーデマン Bach, Wilhelm Friedemann [ ドイツ ] 1710 - 1784
http://www.piano.or.jp/enc/composers/310/
ま、長男はつらいものです、はい・・・・・え、なんでしみじみっているんだって?
そりゃああなた、私がおなじ長男だからですよ。しかも、フリーデマン同様、父親は偉大。共感する部分が多くて困ります^^;
その上、フリーデマンは父と同じ道を歩むことになったわけです。それは特段当時としては珍しいことではなかったでしょうが、同じ道となれば衝突することもある訳です。
ウィキなどからは父と衝突したというような記述はないですが、このアルバムを聴きますと、衝突していたんではないかなあと想像できるんですよねえ。
このアルバムの第1曲目である、フラウト・トラヴェルソ協奏曲(ベルリン声楽アカデミー図書館で発見された作品)は実に以前聴いたことのあるフリーデマンの様式に似ており、ウィキに記述がある、多感様式の作曲家とするのはあながち間違っていないと思います。ただ、長男ですから、やはり父親の呪縛が強かったであろうために、バロック様式が色濃く残る様式の作品が多いのだと思います。
長男とはそういうものなのです。その上で、フリーデマンは柔軟な作風を持っています。その一例がこのフラウト・トラヴェルソ(フルート)協奏曲であり、いきなり第1楽章の主題で提示されるわけです。
2曲目のシンフォニアはむしろバロック的で、第2楽章がフーガになっています。ただ、楽章があるという事は注目点ですよ!時代を感じます。
3曲目はお得意の鍵盤楽器であるチェンバロ協奏曲で、4曲目が2台のチェンバロのための協奏曲。どれもバロック的でもあり、そうでなくもありという、フリーデマンの個性がみなぎった作品です。
ですので、聴いていてとても楽しいですね!バロックが出てくるかと思いきや、多感様式だったり、玉手箱をひっくり返したような作品ばかりで、飽きません。当時の「様式はこうあるべきだ」という人たちにはあまり受け入れられなかったでしょうが、時代が移り変わっている当時では、コアな所謂「ヲタク」がいたと想像でき、そういった人たちが資力して残したと想像できるでしょう。そんな微笑ましい作品がずらりと並んでおり、それもまた楽しいです。
演奏はそんな楽しさを存分に味わっています。オケはカール・フィリップ・エマヌエルの時にも出て来ました、フライブルク・バロック・オーケストラ。大バッハの作品では、このブログではミサ曲ロ短調を取り上げている、実力派の古楽オケです。
しかも、指揮者は第1ヴァイオリン、つまりコンサートマスターであるのです。フライブルク・バロック・オーケストラらしいなあと思います。一見するとなんじゃこれはという作品を、実に喜びをもって生き生きと演奏しています。第3曲目のチェンバロ協奏曲はフォルテ・ピアノで演奏するなど、フリーデマンが生きた「時代」をとことん追求しながらも、実にのびのびとしており、学究的なのに生き生きとしていて、演奏者が楽しそうに演奏しているのがしっかりとこちらに伝わってくるのが本当に素晴らしい!
今でも新たな作品が発見される可能性が高い、フリーデマン。是非ともコンサート・ピースに乗せてほしい作曲家です。フリーデマンの作品を俯瞰できるこのアルバムはお勧めですよ!
聴いているCD
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ作曲
フラウト・トラヴェルソ協奏曲ニ長調BR-WFB C-15/Fk なし
シンフォニア ニ短調BR-WFB C7/Fk 65
チェンバロ協奏曲ホ短調BR-WFB C12/Fk 43
二台のチェンバロのための協奏曲変ホ長調BR-WFB C11/Fk 46
カール・カイザー(フラウト・トラヴェルソ)
ミヒャエル・ベリンガー(ハンマークラヴィーア、チェンバロ1)
ロバート・ヒル(チェンバロ2)
ゴットフリート・フォン・ゴルツ指揮、コンサートマスター
フライブルク・バロック・オーケストラ
(Carus 83.304)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
このブログは「にほんブログ村」に参加しています。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村