かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヤマカズさんと京響の「第九」

今月のお買いもの、平成27年12月に購入したものをご紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、山田一雄指揮京都市交響楽団他の演奏による「第九」です。タワーレコードで売られていたビクターヘリテイジシリーズの一つです。

実は、京都市交響楽団の演奏は、是非ともCDが欲しいところだったのです・・・・・

VHSでは、実はもう録画がありますが、VHSですら、すでに過去のメディアとなっており、あと何年動くかもわかりません。そのため、CDで出ているものは出来るだけCDでほしいと最近思っているのです。かといって、同じ演奏が手に入るとは限りませんから、京都市交響楽団に関しては、別に同じものでなくてもいいと思っていたのです。

そんな矢先、何と、あの「ヤマカズ」さんの指揮のものがあるではないですか!これは買うしかない!

・・・・・さて、皆さま、お気づきでしょうか。ここまで、ベートーヴェンの第九が並んでいますねえ。そうです、実は今月は第九しか買わない予定です。もし銀座山野楽器でいいのがあれば別なものを買う予定ですが・・・・・少なくとも、ディスクユニオン新宿クラシック館では、ベートーヴェンの第九しか買っていません。いや〜、そんなのはひっさしぶりです。

京都市交響楽団は、地方オケの中でも古株に属し、かつてはNHKの朝ドラでも取り上げられたことがあるオケです。

http://www.kyoto-symphony.jp/

東のN響、西の大フィルと言われますが、もう一つは、東の都響、西の京響と言われるほど、その存在感は大きく、実力もあるオケです。東の都響、つまり東京都交響楽団は今年創立50年を迎えますが、実は京響、つまり京都市交響楽団の方が歴史は古いという事になります。

この演奏は、山田一雄京響音楽監督だった時期に録音されたもので、まだ京都市コンサートホールもない時代(場所は京都会館)です。ですから、響きという点においては多少不満が残る部分があるものの、全体としては素晴らしい演奏となっており、その「残響が悪い」点を吹き飛ばすかのような演奏となっています。

全体として、テンポはやや遅めです。その上で、第1楽章最後の部分はリタルダンドしており、テンポはさらに遅くなっています。それが、まるで戦いに疲れた人生の転換点を表わすようで、諦観のようでもあり、思わずうなってしまいます。初めてのCDであるスウィトナーがそのように振っているのを聴いてから、私はどちらかと言えばそのような演奏を好んでいるのですが、そればばっちりなので、嬉しいです^^

第4楽章の常に私が問題にするvor Gott!の部分も、vor一拍に対しGott!は6拍伸ばしており、特に変態演奏とまでいうような演奏ではなく、スタンダードなものであると言えるでしょう。でも、そのスタンダードさが、逆に感動の渦に聴衆を巻き込んでいくのですから、不思議です。

ヤマカズさんと言えば、たいてい演奏中に「何か」が起きることで有名な人でした。室蘭では客席が落ち、このブログで以前取り上げた札響のものでは、合唱団がとび出すなど、ヤマカズさんの熱い解釈には、演奏側がどうしても「情熱と冷静の間」が取りにくいのです。

マイ・コレクション:ヤマカズさん最後の「第九」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/451

それでも、この演奏からは熱いものがひしひしと感じられます。ライヴだから、年末だからという日本人特有の民族性もあるのかもしれませんが、美しいアンサンブルから、零れ落ちるような美しさが詰まっています。

そんな演奏からは、ヤマカズさんへのオケ及び合唱団員からのリスペクトと、信頼が伝わってきます。オケは言うまでもないですが、合唱団も秀逸です。現在は京響コーラスという常設の合唱団がありますが、この演奏の当時は無くて、京都府芸術大学音楽学部の合唱団と、ベリョーシュカ合唱団(現京都シティフィル合唱団)が合唱を担当しています。これが本当に美しい・・・・・

やはり、千年の古都は違うなあと思います。日本とは異なる文化であっても、きちんとしたアプローチをしているからこその、基礎がしっかりとした声がきちんと響いています。アインザッツは決してそれほど力強くはないのですが、それが力強く聴こえるのです。合唱指揮者がしっかりとしている証拠だと思います。調べてみると、京都府芸術大学と、ベリョーシュカ合唱団は指導者を通じて関係性があるのですね。息もぴったりで、学生とアマチュアながらトップレヴェルのアンサンブルであると言えましょう。

京都シティーフィル合唱団のあゆみ
http://cityphil.com/kcpc_ayumi.html

京都の方は幸せだなあと思います。勿論、私が住んでいる関東は、それこそ二けたになろうかというほどプロオケがあり、アマオケも砂の数ほどあります。しかし、その中で本当に素晴らしいのはといえば、それは数えるほどしかないでしょう。そんな中、京都にはこれだけの質の高いオケと、合唱団があるのです。これが幸せでなくて、一体なんでしょうか。第九という作品が持つ、連帯と仲間意識。それを体現した演奏・・・・・

古美術好きな私は、京都は何度も行っていますが、一度、京響のコンサートを聴きに行くだけで、訪れてみたくなりました。




聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
秋山恵美子(ソプラノ)
荒道子(アルト)
田口興輔(テノール
勝部太(バリトン
京都府芸術大学音楽学部合唱団
ベリョーシュカ合唱団(現京都シティフィル合唱団)
山田一雄指揮
京都市交響楽団
(ビクター NCS-622)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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