かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:プロコフィエフ 交響曲全集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から4回にわたりまして、プロコフィエフ交響曲全集を取り上げます。ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団の演奏です。

プロコフィエフの作品は、このブログでは一度だけ取り上げています。

パーヴォ・ヤルヴィプロコフィエフ第6番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/112

この時に聴いた6番が、実はプロコフィエフ交響曲を全部聴きたいという願望に変って行ったと言えるでしょう。プロコフィエフと言えば、交響曲よりも管弦楽曲で有名な人ですから。

セルゲイ・プロコフィエフ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%95

特に、バレエ音楽の「ロミオとジュリエット」がもっとも有名ですが、シンフォニストでもあったわけで、しかも、作曲家人生の殆どを通じて作曲しているジャンルなのです。

まず、第1集では、第1番と第4番が収録されています。第1番は、さすがに有名な「古典交響曲」。確かに聴きますと、これが20世紀の作品?と首をかしげてしまうほど、古典派に似ている作品です。

交響曲第1番 (プロコフィエフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%95)

実際には、プロコフィエフは8つ交響曲を書いていますが、うち一つは習作とされてしまったので、実際に番号が付いているのは7つです(その習作も、いつかは聞きたいものだと思っています)。

この「古典交響曲」をなぜ第1番にしたのかは、その習作を聴いてみないと私としては何とも言えませんが、ハイドンにならうというそのテーマからは、プロコフィエフの伝統重視の姿勢が私には見えるように思います。

で、2曲目の第4番は、この第1集では作品112のほうが選択されています。

交響曲第4番 (プロコフィエフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%95)

第4番はかなり改定時に元のが削除されていますが、プロコフィエフがなぜ帰国後社会主義リアリズムを受け入れたのかという背景に、ハイドンなど古典派へのリスペクトがあるのではと考えてもいい作品だと私は考えています。

改訂後の作品112は、実に旋律的な作品なのです。1947年という時期からすれば、なせ?とも思うくらいです。その理由として考えられるのが、そもそも古典派へのリスペクトを持っているからだと言えるのです。つまり、旋律重視という事です。

だからと言って、和声を重視していないわけではなく、特徴的なのがもっとも有名な作品である「ロミオとジュリエット」です。一方で「ピーターと狼」は旋律的。この二つが7つの交響曲よりもプロコフィエフの作品として真っ先に挙げられるのは、この対照的な二つの作品こそ、プロコフィエフの音楽的特徴であると言えるからでしょう。そしてそれは交響曲でも一緒なのです。

実際、第4番の第3楽章では、20世紀音楽的な和音が出てきますので、決して第4番が旋律重視であるとまでは言い切れないのですが、少なくとも全体的特徴として、作品112に関しては旋律的であると言えるでしょう。それは帝政ロシア時代に作曲された第4番を、社会主義国ソ連で演奏するために採った、プロコフィエフyの生き残り策であったと言えるのではないでしょうか。晩年にはジダーノフ批判にもさらされてしまうのですから・・・・・・

オケはロンドン響ですから、そのアンサンブルは誠に秀逸ですし、文句のつけようがありません。第1番では作品が古典的であるからこそ持つ平明さが全面に押し出されていますし、第4番では元々の作品が持っていたであろう20世紀的なものを含有しつつも、ところどころ明るさがはっきりと示されていると言うように、演奏が作品のコアな特徴を余すことなく伝えているのが素晴らしいです。それぞれの作品のどの部分にターゲットをつけているのがが明確で、初めて聴く場合にはとっつきやすいのではないでしょうか。

編集、演奏ともにまず第1集から評価できると思います。




聴いている音源
セルゲイ・プロコフィエフ作曲
交響曲第1番ニ長調作品25「古典」
交響曲第4番ハ長調作品112(1947年改訂版)
ヴァレリーゲルギエフ指揮
ロンドン交響楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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