かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴィヴァルディ バスーン協奏曲全集3

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はヴィヴァルディのバスーン協奏曲集を取り上げます。全集の中の第3集になります。

こういうものは全集を一気に借りてくるのが私なのですが、どうしても全部そろわないんですよねえ(ToT)

なので、第3集だけを借りてきたという経緯があります。とりあえず、お試しって感じならいいのかしら〜って。

県立図書館にしては全部そろっていないので、仕方ないんですけどね。なら、買えよって話ですから・・・・・

で、バスーンって、何?という方もいらっしゃるかと思いますが、これ、ファゴットの事です。そのほうが分かるって人は、多いかと思います。

ファゴット協奏曲はそう多くはないのですが、バロックでは多いジャンルだと言えるでしょう。圧倒的にヴァイオリン協奏曲が多いヴィヴァルディの協奏曲中で、それでもファゴット協奏曲は数が多い方です。

ファゴット協奏曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%AE%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E3.83.95.E3.82.A1.E3.82.B4.E3.83.83.E3.83.88.E5.8D.94.E5.A5.8F.E6.9B.B2

おそらく、このウィキでも全部が載っているわけでなないと思います。なぜなら、このアルバムに収録されている作品の内、上記ウィキに載っていないのが、RV.495、RV.474、RV.505、RV.472、RV.500と、殆どになります。

ヴィヴァルディの作品はまだまだ新たな発見も多く、また偽作もあることから、これらの作品の真偽はわかりませんが、少なくとも、ウィキに載っていない作品ばかりを収録したアルバムであると言えるでしょう。

これらの作品の特徴をまとめて言えば、3楽章形式であるということです。バロックでよくみられる、合奏協奏曲ではないということです。ヘンデルも合奏協奏曲を作曲していることを考えると、バロックにしては珍しいと言えるかもしれませんが・・・・・・

私は少し違った見方をしています。この時代の音楽先進地域はイタリアやフランスです。決してドイツではないのです。これらのファゴット協奏曲が物語るのは、様式からすると古典派に限りなく近いという事です。音型はバロックですが、楽章数はモーツァルトの時代そのものです。

つまり、これらの作品は片足を多感様式に突っ込んでいると言える、まことに先進的な作品なのです。何もそれは「四季」だけではないということが、このアルバムからも証明されていることになります。

オケはニコラウス・エステルハージ・シンフォニアで、ハイドンの作品や、これはナクソスが元音源ですが、ナクソスベートーヴェン交響曲全集でも活躍しているオケですが、ヴィヴァルディでも全く遜色ない演奏を聴かせてくれます。むしろ、室内オケであるからこそ、こういったヴィヴァルディの作品にはぴったりだと言えるでしょう。

そして、視点を変えれば、むしろ古典派の作品にぴったりのオケの演奏が、バロックでもそん色ないという点にこそ、これらの協奏曲の先進性が見て取れるわけなのです。勿論、それはオケのうまさでもあります。過度に重々しくない軽めの演奏が良いリズム感となって聴衆を包み込むのは、しっかりとした技術に裏付けされている証拠ですから。

でも、それだけではないという事なのです。うまいオケがしっかりと演奏すれば、実は作品が持つ先進性が如実に表れる・・・・・それが、ヴィヴァルディの協奏曲なのだという事を、このアルバムは証明してみせたのです。

比肩されるコレッリの時代は、合奏協奏曲が王道でしたが、ヴィヴァルディの時代になるとより後世の、ヴィルトォーソの時代に近い様式になっているのです。ただ、バロックの音型が色濃く残っているので、一見するとその先進性が分からないのです。きちんと3楽章になっているこれらの作品は、もしかすると中に偽作が混じっているとしても、ヴィヴァルディやまねて作曲した人たちの先進性を、後世に残したといえるでしょう。

日本だとバロックと言えばバッハという印象が強いのですが、もっと他の作曲者の作品も顧みられる方がいいのになあと、この音源を聴いても思います。




聴いている音源
アントニオ・ヴィヴァルディ作曲
ファゴット協奏曲ト短調P.384 RV.495
ファゴット協奏曲ハ長調P.69 RV.474
ファゴット協奏曲変ホ長調P.433 RV.483
ファゴット協奏曲変ロ長調「ジョゼッピーナ」P.382 RV.505
ファゴット協奏曲ハ長調P.45 RV.472
ファゴット協奏曲イ短調P.89i RV.500
タマーシュ・ベンコーチ(ファゴット
ベーラ・ドラホシュ指揮
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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