かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ベルワルド 交響曲第3番・第4番、ピアノ協奏曲ニ長調

今週は火曜日をお休みとさせていただきました。そのため、今日の木曜日からアップします。

今月のお買いもののコーナー、今回はディクスユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ベルワルドの交響曲第3番と第4番、そしてピアノ協奏曲ニ長調のアルバムをご紹介します。レーベルはナクソスです。

まあ、こういったあまり知られていない作曲家を採り上げるのは、やはりナクソスですよねえ。で、なぜこのアルバムを購入したかと言えば、時代的に前期ロマン派の作曲家であるからなんです。

フランツ・アドルフ・ベルワルド
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%89

実際、作曲は1810年代に開始しています。その時代は、前期ロマン派が始まり、ベートーヴェン中期から後期という時代で、古典派が頂点を極めた時期でした。そういった時期に、ベルワルドは作曲を学び、作曲を始めたという事になるわけです。

ですから、ベルワルドの音楽は、ベートーヴェンウェーバーシューベルトメンデルスゾーンなどの巨匠の作品という、豊潤な基礎があって成立した作品であると言えましょう。

このアルバムには、交響曲の第3番と第4番、そしてピアノ協奏曲が収録されていますが、いずれも作曲家として成功を収めた後の作品たちという事になります。特に交響曲は生前演奏されなかった作品で、作曲家としてはあまり恵まれなかった人生では仕方がなかったとはいえ、どちらも充実した内容となっています。

交響曲第3番は、3楽章形式でありながら、実際には4楽章形式的な作品です。第2楽章はアダージョで始まり、それは緩徐楽章的な役割を持っており、その後スケルツォが始まるというもので、極めて独創的であり、後のシベリウスを彷彿とさせます。もしかすると、シベリウスはこのベルワルドの交響曲を念頭に置いて、交響曲第3番を書いたのではないかと思ってしまうくらいです(不思議なことに、シベリウスが楽章を統合したような作品を書き始めたのが、第3番からなのですね)。ベルワルドはスウェーデンの作曲家であり、シベリウスフィンランドであるのとは異なりますが、どちらもキーワードが「ロシア」という北欧国家という背景からしますと、もしかするとという可能性を十分感じさせる様式です。

華もあり美しく、それでいて爽やかさもある、颯爽とした作品で、ベルワルドの非凡さを十分教えてくれます。

次に収録されているのはピアノ協奏曲ニ長調。それほど大規模な作品ではないのですが、前期ロマン派の香りを十分味わうことが出来る作品です。ピアノ協奏曲はこの1曲しか書いていませんが、きらびやかで豊潤な音楽がそこにはあります。完成は1855年で、晩年と言っていい時期ですが、筆衰えずと言ったところを見せてくれます。

最後に収録されているのが交響曲第4番です。古典的な4楽章の作品ですが、ロマン派の香りに満ちている作品です。前期ロマン派の作曲家でありながら、後期ロマン派のさきがけのような豊潤さをどの作品も持っていますが、この第4番はその性格が特に強いものです。同時代の作曲家としてシューマンがいますが、シューマンに比べれば個性的ではないかもしれません。しかし、前期ロマン派というくくりからはみ出しそうなその作風は、シューマンではどうもアヴァンギャルドすぎてねえ、という方にはぴったりではないでしょうか。

指揮はオッコ・カム。演奏はヘルシンボリ交響楽団と、スウェーデンのオケが素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。前期ロマン派という時代特有のロマンティシズムと、ベルワルド特有の爽やかさ、そして華やかさのなかにも凛とした美が存在するこれらの作品を、余計なことをせずに私たちに提供してくれています。前期ロマン派はドイツだけはない!というスウェーデン人の意気ごみというものが、演奏から切々と伝わってきます。

自らの視野教唆を、こういった作品とその演奏は教えてくれますから、止められないんですよねえ。




聴いているCD
フランツ・アドルフ・ベルワルド作曲
交響曲第3番ハ長調「風変わりな交響曲
ピアノ協奏曲ニ長調
交響曲第4番変ホ長調
ニコラス・シベロフ(ピアノ)
オッコ・カム指揮
ヘルシンボリ交響楽団
(Naxos 8.553052)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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