かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ボロディン 交響曲全集

今月のお買いもの、平成26年6月分をご紹介していますが、今回はボロディン交響曲全集を取り上げます。レーベルはナクソスで、ディスクユニオン新宿クラシック館での購入です。

え、またあ全集?ばっかじゃないの?っておっしゃる、ア・ナ・タ。全集と言いましても、一枚なんですよ、これ。

実は、ずいぶん前からボロディン交響曲全集は狙っていたのです。ボロディンと言えば、「中央アジアの草原にて」と「イーゴリ公」が圧倒的に有名で、私もそれしか持っていませんでした。

マイ・コレクション:剣の舞 管弦楽名曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/395

マイ・コレクション:ゲルギエフのロシア管弦楽曲名曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/800

しかし、ボロディンという人の非凡さは、まさしく私はゲルギエフが指揮した「だったん人」で知っていたわけで、県立図書館に通うようになってから、交響曲を探し求めるようになりました。特に、銀座山野楽器あたりで全集を。

輸入盤で、2枚組だったと思います。ブリリアント・クラシックスだったかもしれませんが、安い値段で全集はあったのですが、なかなかボロディンまで手が回らなかったのです。

それがようやく、何と一枚で手に入ったのでした。中古なので、ほぼ600円ほど・・・・・新譜で2枚組を買うよりも、多分安いです^^;

一応、ボロディンの人となりを、ウィキで申し訳ありませんが挙げておきましょう。

アレクサンドル・ボロディン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3

もともと化学者だった人で、その方面での功績のほうが実は有名で歴史上重要なのですが、その上クラシック音楽でも功績を残している、素晴らしい方です。が、生い立ちをみると・・・・・おいおい、思いっきり機能不全家族出身ではないですか!

多分、化学者として名をはせることが出来たのは、同時に作曲家としての活動があったからでしょうね。「ロシア5人組」はまさしく仲間であり、ボロディンを支えたことでしょう。実際にだからこそ、「イーゴリ公」は完成に至ったのですから(実は、その過程でグラズノフが関わっていることから、グラズノフにも興味がわいて、今年の春先にCDを買い求めたのです)。

さて、収録されている作品に触れていきましょう。番号順に収録されており、まず第1曲目が第1番です。

交響曲第1番 (ボロディン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3)

演奏頻度は少ないとありますが、いやいやとてもロシア的で、しかも自然な旋律は、まるでロシアの大草原の絵画を見ているかのようです。もっと頻度が上がってもいいような気がします。恐らく、そのうちナデージダあたりが取り上げてもまったく不思議はありません。

むしろ、グラズノフよりもロシア的でありながら、癖がない作品なので、親しみやすい作品だと思います。恐らく、「だったん人」の印象が強すぎるんでしょうね。交響曲における「中央アジアの草原にて」って感じなので、私としてはこれから人気が出るものと思っています。

次が、第2番です。

交響曲第2番 (ボロディン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3)

「勇士」という標題がつくこともあるこの作品は、第1番にくらべると小ぶりな作品ですが、その標題の通り、力強さと重々しさもある作品です(主調がまた、バッハのミサ曲と同じロ短調なんですね)。第1楽章の終わり方は特徴的で、此れだけでももっと演奏されてもいいような素晴らしい作品です。

まさしく、この二つの交響曲だけで、ボロディンの作品の特色を表わしているとも言えます。第1番が「中央アジアの草原にて」のようだとすれば、第2番はまさしく「イーゴリ公」の「だったん人の踊り」のようであると言えましょう。それでいて、ソナタ形式を供え、演奏会ピースとして1級の内容を持つのですから、本来はこの第2番ももっと演奏されてもいい作品だと思います。プロはあまり冒険しないかもしれませんが、アマチュアはどんどん採り上げそうな気がします。

さて、最後が第3番なのですが、晩年の作品であるがゆえに、未完で終わってしまった作品です。どこまでが本人の作なのかが分かりづらいことから、全集からは外されることもある作品です。

交響曲第3番 (ボロディン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA_(%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3)

ただ、楽譜として出版されている部分は、殆どがボロディンの他の作品からの転用なので、ボロディン作としてこのCDでは収録されています。

演奏は、チェコ(現在はスロヴァキア)のオケである、チェコスロヴァキア放送交響楽団ブラティスラヴァ。ナクソス初期を担ったオケですが、このボロディンでは素晴らしいアンサンブルで、ステディな演奏を聴かせてくれます。それがボロディンの3つの交響曲の非凡さを、余すところなく伝えてくれます。

指揮者ガンゼンハウザーのタクトがいいのでしょう。あまり馴染みのない、ボロディンの3つの交響曲を、肩に力が入ることなくオケに歌わせているのはさすがです。大抵、こういった作品だと、魅力を伝えたいがために前のめりになり、アンサンブルが崩れ気味になるものですが、それが全くなく、むしろ落ち着き払っていて、もっとドラスティックでもいいんじゃない?というほどです。恐らく、もっとドラスティックな演奏はあると思いますが、それでも、この音源ではそういったことはありません。音楽が淡々と流れていきます。

それでも、全く飽きないのです。まるでバロック音楽のようなのに、しかし音楽は後期ロマン派で、国民楽派。それが淡々とした演奏から十二分に湧き上がってくるのです。こういった演奏に当る幸せは、格別です。

少なくとも、ボロディンという作曲家が魅力的な交響曲を書いているという事を、しっかりと世に問うた演奏だと言えましょう。




聴いているCD
アレクサンドル・ボロディン作曲
交響曲第1番変ホ長調
交響曲第2番ロ短調
交響曲第3番イ短調
ティーヴン・ガンゼンハウザー指揮
チェコスロヴァキア放送交響楽団(ブラティスラヴァ)
(Naxos 8.550238)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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