かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲ピリオド1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シューマン特集が終わった次に登場するのは、コレッリです。コレッリの合奏協奏曲を取り上げます。

と言ってもですね、コレッリの合奏協奏曲は以前、すでに特集しているんですね。

神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲集1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1090

神奈川県立図書館所蔵CD:コレッリ 合奏協奏曲集2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1091

このとき取り上げたのはモダンの演奏でした。で、当然ですが、同じモダンで借りて来るようなことは、私はへヴィーローテーションで聴くような作品でない限りしません。バロックの作品であれば、ではピリオドで聴きたいと思ったのでした。

モダンの雄がイ・ムジチであれば、ピリオドの雄は百花繚乱です。で、図書館にあったのが、ラ・プティット・バンドのものでした。

ラ・プティット・バンド自体、それほど珍しい団体でもないですし、だからこそ、信頼に足る演奏であろうと判断したのですが、その一つの材料だったのが、以前取り上げました、ハイドンのチェロ協奏曲だったのです。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン チェロ協奏曲全集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1037

時代考証もきちんとやったうえで、演奏も信頼できる団体など、数えるほどしかありません。バロックという時代の芸術を伝えると言うことは、実に様々な作業が必要になりますが、それを惜しまない団体の演奏は、実際に裏切られたことが殆どありません。

ラ・プティット・バンドの演奏はそういったものであり、だからこそ、コレッリゆえに借りたという訳でした。

コレッリの合奏協奏曲は12曲あると、上記イ・ムジチの音源を取り上げた時に触れていますが、だからこそ二つに分ける必要があり、この音源も第1番から第6番までを収録しています。

一度取り上げている作品なので、演奏を述べていきたいと思いますが、ピリオドだからテンポは速いという迷信?があるかもしれませんが、そんなことないんです。緩徐楽章ではゆったり演奏しています。でも、テンポ感はしっかりあり、言うなれば「音が立っている」という感じです。

それは、ピリオド楽器の特性故だと思いますが、実に鮮やかな音色と、爽快感を現出させています。軽やかで、しかし気品に満ち、落ちつきもあります。

この、相反するものが同居するというのは、絶妙のバランス感だと思うんですが、クイケンのリーダーシップと共に、専門家集団としてのラ・プティット・バンドが、リーダーの下で強制されているのではなく、共感の上で集まっているという点にこそ、理由があると言えるでしょう。

ピリオドグループのいい点は、私はその「共感」という点であると思っています。クイケンバロック〜古典派までの音楽のオーソリティであるわけですが、決して偉ぶるのではなく、メンバーへの共感も忘れません。そもそも、ハイドンで一緒に共演している鈴木氏は、ラ・プティット・バンドのメンバーでもありました。現在では鈴木氏は自分のオケを立ち上げて、楽団としての活動はBCJとそのオケ(オーケストラ・リベラ・クラシカ)のほうが中心となっていますが、こういったメンバーがいる団体なのである、ということであるのです。

イ・ムジチの音源を取り上げた時に、私はこう述べています。

「オケの中にソリストが参加して、ソリスト(コンチェルティーノ)を形成し、オケと協奏するという演奏は、まさしくバロックそのもの」

まさしく、ラ・プティット・バンドも、それを現代で実現するために生まれた団体でした。ですから、合奏協奏曲のような作品こそ、彼らにぴったりの作品であると言えましょう。だからこそ、バランス感覚に優れていると言えるかと思います。

少人数必ずしも悪ならずや、ということを実行している、素晴らしい団体が奏でる、素晴らしい演奏は、聴き手に様々な発見と気づきを与えてくれるでしょう。




聴いている音源
アルカンジェロ・コレッリ作曲
合奏協奏曲ニ長調作品6の1
合奏協奏曲ヘ長調作品6の2
合奏協奏曲ハ短調作品6の3
合奏協奏曲ニ長調作品6の4
合奏協奏曲変ロ長調作品6の5
合奏協奏曲ヘ長調作品6の6
コンチェルティー
シギスヴァルト・クイケン、ルシー・ファン・デール(ヴァイオリン)
ヴィーラント・クイケン(チェロ)
ボブ・ファン・アスペレン(チェンバロ
コンラート・ユングヘーネル(テオルボ)
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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