かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ベートーヴェン ミサ曲ハ長調他

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はベートーヴェンのミサ曲ハ長調を取り上げます。ガーディナー指揮オルケストレルレヴォリュショネル・ロマンティク、合唱はモンテヴェルディ合唱団。「ベートーヴェン全集」からのものです。

実は、私が一番早く手に入れた「ベト ハ長調ミサ」は、これが最初です。以前、ピリオドとモダンの演奏をそれぞれ一つずつご紹介していますが、すべてはこの演奏がきっかけです。

今月のお買いもの:ベートーヴェン ミサ曲ハ長調
http://yaplog.jp/yk6974/archive/961

今月のお買いもの:モダン演奏のベートーヴェンミサ曲ハ長調
http://yaplog.jp/yk6974/archive/994

曲の説明は以上に上げたエントリで済ませたいと思います。特に、最初の大阪テレマンを取り上げたエントリには、説明があるブログのURLを貼ってあります。

このミサ曲ハ長調を書いた時のベートーヴェンはまさしく、新しい時代を切り開くパイオニアとしての姿でした。古典美を持ちつつ、歌詞のドラマティックな点を重視した作曲は、ハイドンよりはむしろベートーヴェンよりも後の時代、メンデルスゾーンシューマン、或はもっと下ってブルックナーのほうが近い雰囲気を持っています。

特に、このミサ曲ハ長調の場合、ブルックナーのミサ曲ホ短調にも出て来そうな旋律もあり、それは当時の聴衆には受け入れられないだろうなあと思います。

この演奏は、そんなハ長調ミサのドラマティックな部分が強調されており、しかも筋肉質なキビキビとした演奏により、作品のまとまりの良さが浮かび上がる素晴らしい演奏になっています。

それだからこそ、この演奏がモダンだったらなあ、と思っていたのです。そんな矢先、読者の方から「大阪テレマンの演奏は如何でしょうか」というコメントが付いたのです。

なら、買わないわけにはいかないでしょ〜

ということで、実は大阪テレマンの物を買ってきた経緯がありました。で、大阪テレマンは、古楽オケとしては重厚なオルケストレルレヴォリュショネル・ロマンティクをかるーく超えていた・・・・・という訳でした。

ただ、ガーディナーの視点でいいところは、同じ古楽でも、バッハの時代と古典派では、オケの編成を変え、その都度名前を変えるという点です。さすがにバッハの時代とベートーヴェンの時代とでは、楽器も進歩しているからです。それをきちんと考慮に入れているのがガーディナーのいい点です。それは私も、第九で評価しています。

マイ・コレクション:ガーディナーの第九
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1007

ただ、第九とこのミサ曲ハ長調とではどっち?と聞かれれば、迷うことなくミサ曲ハ長調と答えます。でも、熱い演奏はいずれもです。

ガーディナーの演奏は、私はあまり学究的にとらえるべきではないと思っています。そうすれば第九の時の様にいくらでも突っ込みどころ満載だからです。それよりも、そういう突っ込みどころ満載にしてまでガーディナーが伝えたいことは何だろうか、ということを此方が考えることが重要だと思います。

ベートーヴェンの作品の古楽演奏が、ともすれば端正だけに終わってしまうものも少なくない中で、「熱い」演奏は可能なのか?ということをとことん追求したのが、ガーディナーなのだというように私は受け取っています。

実際、カップリングのカンタータ「静かな海と幸運な航海」作品112は、まるで私たちが一緒に航海しているかのような雰囲気に誘い込まれます。前半部分では、遠い陸地に向かって「おーい・・・・・・・・」と叫んでいるかのような表現が、ディヌミエンドによってなされているところなどは、思わずうなってしまいますし、聴いている間に此方にも熱いものがこみあげてきます。

ここでも、ベートーヴェンカンタータが、バッハと異なり、ドラマを描くようになってきていることを、私たちに知らせてくれます。そういうように音楽をベートーヴェンが作っている、と言うことを。

素直に耳を傾けることこそ、ガーディナーが私たちに要望していることであり、それによって受け取れるものがたくさんあるんだということを、この演奏は教えてくれます。それもクラシック音楽の、一つの楽しみ方であるということを。




聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ミサ曲ハ長調作品86
カンタータ「静かな海と幸運な航海」作品112
シャルロッテ・マリョーノ(ソプラノ)
キャサリン・ロビン(メゾ・ソプラノ)
ウィリアム・ケンゲル(テノール
アラステア・マイルズ(バス)
モンテヴェルディ合唱団
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
オルケストレルレヴォリュショネル・ロマンティク

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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