かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ハイドン 天地創造

今月のお買いもの、今回はハイドン天地創造です。ディスクユニオン新宿クラシック館での購入です。

ハイドンのオラトリオを買うシリーズと自分で勝手につけているんですが、その2枚目となります。カラヤンのもあったのですが、棚のスペースの関係でコレギウム・アウレウム合奏団のものを買ってきました。

このCD、実はハイドン生誕250周年に、初演の様子にできるだけ近い形で演奏されたものです。形と言いますか、編成でというほうが伝わりやすいかと思います。

コレギウム・アウレウムは学究的であるだけでなく、演奏時にはロマンティックさも追求する団体なので、こだわったのは編成ということになろうかと思います。合唱団は38名。それとバランスを取るために、オケにコレギウム・アウレウムが選ばれたという訳なのです。

このCDにおけるオケの人数は約30名。それがハイドンの時代のスタンダードな人数だったのですから。モダンであればもう少し少ない人数でも十分かもしれません。

さて、ハイドン天地創造は、ハイドンが作曲した3つ目のオラトリオです。扱っているのは所謂旧約聖書の創世記で、さらにミルトンの「失楽園」も元となっています。

天地創造 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E5%89%B5%E9%80%A0_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

とはいっても、失楽園の部分はあまり触れられておらず、第2部を除いてしまえば、まるで日本神話の国つくりと一緒です。

天地開闢 (日本神話)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E9%96%8B%E9%97%A2_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%A5%9E%E8%A9%B1)

国産み
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%94%A3%E3%81%BF

内容の詳しいものは、此方になるでしょう。聖書に詳しい人であれば、なるほどという内容が並んでいます。

J.ハイドン作曲 オラトリオ『天地創造
http://homepage2.nifty.com/mikio3/pn/n1995_schopfung.htm

私は「四季」と比べれば、この天地創造のほうが出来がいいと思います。内容も創世記から外れていませんし、それをドラマティックに描く音楽も素晴らしいものばかりだからです。スヴィーテン男爵がハイドンが作曲しやすいように編集したと伝えられていますが、この編集はとてもよかったと思います。

また、この作品はヘンデルの影響を強く受けている作品とも言えるかと思います。レチタティーヴォは語りのようになっていますし、それを受けてのアリアや合唱はきちんと音楽になっているからです。しかし、音楽としては古典派が鳴っています。決してバロックではありません。ただ、これを聞きますとモーツァルトはもっと早い時代に同じような音楽を書いていることに驚嘆せざるを得ません。

しかし、それは評価されないんですよねえ。いや、ハイドンの「四季」やこの天地創造ですら、国内では正当な評価を受けているかどうか、はなはだ疑問です・・・・・

もしかすると、ハイドンモーツァルトのオラトリオを聴いて、それを参考にして書いたかもしれませんから。そんな音楽が、ここでは支配しています。あるいは、モーツァルトが早すぎたのか・・・・・

ハイドンモーツァルトベートーヴェンという流れだと理解していると、モーツァルトの音楽の素晴らしさをこのハイドンの「天地創造」からは聞き取れないかもしれません。ハイドンモーツァルトを本当にきちんと評価していましたから。その表れとも取れるかと思います。

演奏面では、合唱のなんと軽いこと!それでいて、力強さももっています。さすが、アーノルト・シェーンベルク合唱団だなあと思います。この団体、私がモーツァルトのミサ曲を取り上げた時、そしてモーツァルトの宗教音楽全集を取り上げた時にもご紹介した合唱団です。古典派を歌わせたら本当に素晴らしいです。指揮者クーンはザルツブルク出身で、モーツァルテウムで学んだとありますから、その演奏結果はなるべくしてなったとも言えましょう。

それが、天地創造のドラマを、私たちに劇的に見せています。人数が少ないからだめでしょ?そんなことはみじんもありません。人数がすくなくとも、バランスさえよければ、ドラマティックな演奏はいくらでもできるという証明です。

これなら、逆にカラヤンのも欲しいなあと思います。ハイドンのオラトリオについては、モダン、ピリオドどちらを持っていても損はないように思います。それを聴き比べることの幸せは、クラシックファンであれば誰しも思うことでしょうから。



聴いているCD
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
オラトリオ「天地創造」Hob.XXI-2
アーリーン・オジェー(ソプラノ、天使ガブリエル)
ペーター・シュライアーテノール、天使ウリエル
ワルター・ベリー(天使ラファエル、バス)
ガブリエーレ・シーマ(イヴ、ソプラノ)
ローラント・ヘルマン(アダム、バス)
ウィーン・アーノルト・シェーンベルク合唱団(合唱指揮:エルヴィン・オルトナー)
アントニ―・クーン指揮
コレギウム・アウレウム合奏団
(BMG BVCD-8813/4)



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