皆様、暑さで体調を崩されてはいませんでしょうか?
実は私はまあバカなことに、夏風邪をひきまして。ちょっとした体調管理なんですけれどね。一応、まだ薬は服用しております。今週末には全部服用が終わって治る予定・・・・・です^^;
皆様におかれましてはぜひとも、体調に留意してお過ごしくださいませ。
さて、今回の神奈川県立図書館所蔵CDのコーナーは、モーツァルトの宗教音楽の第11集です。教会ソナタとオルガン曲が収録されています。
教会ソナタは第13番から第17番が収録されていますが、だんだんオルガンが主役になっていくのが分かります。第17番などは完全にオルガンが主役であり、まるでオルガン協奏曲です。カデンツァまであります。
オルガン曲は、そもそもは自動オルガンのために作曲されたものです。
自動オルガン
http://www.musemuse.jp/Musemuse_Comment/comment_organ.html
ミュラー(ダイム・フォン・シュトリテッツ伯爵)に依頼されて、彼の芸術館内に作られた「ロウドン元帥を偲ぶ霊廟」用に作曲したものです(Mozart con graziaより)。ベートーヴェンも作曲したといいます。
自動オルガンのためのアダージョとアレグロ K.594
http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op5/k594.html
K.594の説明で3曲がいつ作曲されたのかが紹介されていますが、その3曲が収録されています。自動オルガンで演奏されれば本当はよかったと思いますが、ここでは教会のオルガンで人が弾いたものとなっています。
ただ、モーツァルトはどうやらそのオルガンの音に納得がいかなかったようで・・・・・
ぼくは時計師のためのアダージョをすぐに書いて、愛する女房の手に何ドゥカーテンかを握らせようと、固く決心した。 でも、ぼくにはとても厭な仕事なので、さっぱりうまく行かず、最後まで持って行けそうもない。 毎日書いているのだが、いつも退屈して、途中でやめてしまう。 それが非常に大事な理由でやているのでなかったら、きっとそのままにしてしまっていただろう。 でも何とかして、少しずつ無理にもやっつけて行こうと思う。 じっさい、それが大きな時計で、オルガンのように響くものだったら、ぼくも喜んでするだろう。 ところが、小さなパイプだけで出来ていて、ぼくには子供っぽい音にしか聞こえないのだ。
※ 柴田治三郎編訳「モーツァルトの手紙(下)」岩波文庫 p.177 から引用
その点でいえば、教会のオルガンで演奏してみたこの演奏は、これらの作品の新たな魅力を私たちに教えてくれているように思います。まるでバッハのような重厚さも持つ(特に、K.608)これらの作品は、けっして軽いものではなくレヴェルの高いものですし、ここでもモーツァルトの作品が持つ「表面的には軽くても内容的には高いものを持つ」という特色を兼ね備えています。
こんな作品に出会わなければ、私はモーツァルトのオルガン曲に触れることはなかったでしょうし、そのきっかけはまさしく全集を借りることであったと思います。もちろん、この作品を宗教曲とするのには異論もあるでしょう。実際、教会ソナタとこれらのオルガン曲はアーノンクールの全集には入っていません。しかし、モーツァルトにとっては宗教曲の色合いがあったのかもしれないなと、特にK.608などを聴きますと思います。
例えば、ベートーヴェンも葬送行進曲はいくつか書いています。それらと同じ意味を持つと考えれば、特段私たちが理解できないこともありません。晩年のモーツァルトの気持ちに寄り添えるような作品ではないでしょうか。
聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
教会ソナタ第13番ト長調K.274(271d)
教会ソナタ第14番ハ長調K.278(271e)
教会ソナタ第15番ハ長調K.328(317c)
教会ソナタ第16番ハ長調K.329(317a)
教会ソナタ第17番ハ長調K.336(336d)
自動オルガンのためのアダージョとアレグロ ヘ短調K.594
自動オルガンのためのアレグロとアンダンテ(幻想曲)へ短調K.608
自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調K.616
ダニエル・コルゼンパ(オルガン)
ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮
ドイツ・バッハゾリステン
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