神奈川県立図書館ライブラリ、モーツァルトの宗教音楽を連続して取り上げていますが今回はその第8回目。ミサ曲ハ短調を取り上げます。
このシリーズの一番最初に申し上げましたが、既にアーノンクールでCDを持っているにもかかわらず借りてきた理由が、モダンの演奏だからであると申しましたが、その時に唯一ピリオドがあるんですがと述べたのがこの第8集です。
いやあ、実はこれもモダンを期待したのですが・・・・・
指揮はガーディナー。オケはイギリス・バロック管弦楽団。見事にピリオドです><
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%84
しかし、この演奏、以前モーツァルトのピアノ協奏曲で私が呈示した疑念にある一定の回答をくれるものでした。なーるほど、と。
この演奏、実にオケはコンパクトです。小編成とまでは言いませんが、決して大編成ではありません。合唱団とのバランスもいいですし、ピアノ協奏曲で存在したバランスの悪さは全くありません。私が持っている大ミサハ短調の演奏の中でも素晴らしい部類に入ります。でも、ピアノ協奏曲と同じオケなんですよねえ。
これでほぼ確定であるわけです、ガーディナーはモダンの感覚でピアノ協奏曲を演奏してしまったということが。
勿論、ベートーヴェンのように楽器が作曲の想定に追いついていないという側面もあるかも知れません。しかし、モーツァルトの時代は楽器の技術革新のちょうど手前ですし、それに特に初期の作品の演奏にアンバランスな点が散見された点を鑑みますと、ベートーヴェンの例とは異なると判断するほかはありません。
モダンと同じ編成にしたからこそ、合唱団と見事にあっているといえるでしょう。人間の声はピッチは違えども、音が小さいとかは時代によってありませんから。となると、こういった大編成とのアンサンブルを基本にしてフォルテピアノと合わせてしまったという結論にならざるを得ないのです。
だからこそ、逆に私は大阪テレマンを評価もするわけなのです。延原氏は楽器の歴史等も踏まえてバランスを考えているということなのですね。しかし、日本国内でそれはどれだけ評価されているでしょう?ガーディナーを盲目的に礼讃してきた歴史だったのではないでしょうか。
こういう演奏をテレマンと比較するとき、日本のオケの行く末というものが、ある程度見えてきてしまいます。寂しい限りです・・・・・
日本はいい国だといいながら、果たしてどれだけ私たちは日本の団体を支持してきたでしょう。それをまざまざと突きつけられる演奏なのです。
この図書館の全集は、ここまではそんな演奏に満ちています。
聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
ミサ曲ハ短調K.427(417a)「大ミサ」
シルヴィア・マクネアー(ソプラノ�T)
ダイアナ・モンタギュー(ソプラノ�U)
アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
コルネリウス・ハウプトマン(バス)
イントナツィオ:スティーヴン・チャールズワース
モンテヴェルディ合唱団
リーサ・ベズノシウク(フルート)
アントニー・ロブソン(オーボエ)
アラステア・ミッチェル(ファゴット)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イギリス・バロック管弦楽団
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