かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルトのクラヴィーア協奏曲をチェンバロでやってみたら

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はモーツァルトハープシコード協奏曲を取り上げます。ハープシコードとはチェンバロのことです。

え、モーツァルトチェンバロ協奏曲も書いていたの?と思われるかもしれません。チェンバロでは書いていませんが、クラヴィーアでは書いています。そう、この音源はもともとクラヴィーアの曲をチェンバロで演奏したものなのです。

この音源を借りた目的に、以前聴いたモーツァルトのピリオド演奏によるクラヴィーア協奏曲で感じた違和感がありました。つまり、編成が大きすぎたのではないかというものです。その疑問に、この演奏はある程度こたえてくれています。

チェンバロフォルテピアノ以上に音の強弱が付きにくい楽器です。そして楽器の構造上超絶技巧は難しいものであることは、先日ゴルトベルク変奏曲を取り上げた時にも言及しました。

ですので、どうしてもチェンバロをソロで入れる場合、編成は非常に重要な課題となるわけなのです。

この音源では室内オーケストラ規模の比較的小さい編成を採用しています。そのせいか、フォルテピアノと比べれば格段にバランスがよくなっています。もしかするとマイクの位置もあるかも知れませんが(そう感じる部分がK.242ではなくもありませんので)。

そして、カップリングがモーツァルトの習作を入れているのも興味深い点で、これも借りる判断材料となりました。もともとはヨハン・クリスティアン・バッハのクラヴィーア・ソナタで、それをモーツァルトが協奏曲へ編曲したものです。もともとがソナタだったなんて信じられないほど協奏曲として自然で、オケとソリストとが会話を楽しんでいます。

ヨハン・クリスティアン・バッハ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F

そして、このヨハン・クリスティアンは「モーツァルト事典」でも頻繁に取り上げられる人物で、モーツァルトの特にクラヴィーア曲に影響を与えた人です。なるほど、この習作はそういったものの一つなのだな、と感じます。元々は3つの曲ですが、この音源では二つだけが収録されていますが十分でしょう。

3つのピアノ協奏曲 K.107
http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op1/k107.html

また、K.242もこの演奏では非常に興味深いことを教えてくれていまして、やっぱり3つ目のチェンバロが弱いんですね。何も現在のピアノや当時のフォルテピアノだけではないということが確認できます。なぜモーツァルトが2台用に編曲したのかが、これでよくわかります。ただこの演奏ではかろうじて3台目がききとれるので、もしかするとモーツァルトはクラヴィーア曲を作曲する場合、そもそもチェンバロで演奏することも視野に入れて作曲したのかも知れません。それは当時の状況から考えて決して荒唐無稽な考えとは言えません。フォルテピアノですらようやく出現した時期なのです。クラヴィーアと言えばそれはチェンバロを基本的に指した時代でもあるのですから。

そのテクストで考えますと、モーツァルトの「クラヴィーア」協奏曲は果たしてフォルテピアノでいいのか、それともチェンバロがいいのか、いろんな判断ができるかもしれません。



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
3台のハープシコードのための協奏曲ヘ長調K.242「ロードロン」
ハープシコード協奏曲ニ長調K.107
(原曲:J.C.バッハ「クラヴィーア・ソナタ」作品5-2)
ハープシコード協奏曲変ホ長調K.107
(原曲:J.C.バッハ:「クラヴィーア・ソナタ」作品5-4)
ユゲット・ドレフュス(ハープシコード
オリヴィエ・ボーモン(ハープシコード
ジョルジョ・キッス(ハープシコード
エドゥアルト・メルクス指揮
ウィーン・アカデミー合奏団



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