かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルト全集から 宗教音楽5

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はモーツァルト全集の宗教音楽の第5回目です。二つの「クレド・ミサ」が収録されています。これはモダンですがデイヴィス指揮、ロンドン響他の演奏となっています。

これも、演奏は素晴らしいんですけどねえ・・・・・問題は、ミサ・ブレヴィスなのですよ。社会主義ではないはずなのに、アンティフォナを抜かすとは!

恐らく、合唱団が聖歌隊ではないということは原因なのでしょうね。この演奏を聴くと、なぜ今モダンではほとんどモーツァルトのミサ曲のCDがないのかの一端が見えてきます。

そこでグレゴリオ聖歌から持って来るだとか、そういう「決まり事」が忘れられている・・・・・だから、ケーゲルを批判できない、というわけです。

これが当たり前だと日本人は思ってしまったのでしょうといいたいところですが、ちょっと待った!アマチュア合唱団は、きちんと演奏してますぜ。少なくとも、以前存在した「宮前フィルハーモニー合唱団『飛翔』」は、この曲ではないですが、モダンでしかも抜かしていませんが(K.194。私自身がその証人ですが、何か?)。

そこなんですよねえ。それを知らずに、東側の演奏を聴くなんて!とか言うの、やめてくれません?

日本の、特にアマチュア合唱団は本当にモーツァルトのミサ曲の「本当の姿」を表現しようと、まじめです。実力が伴っていない団体(それは私が入っていた「飛翔」も残念ながらそうでしたが)が多いのであまり注目されないのかもしれませんが、日本のアマチュア合唱団ほど、その伝統に立脚して演奏しようと必死になっている団体は在りません。

では、プロはって?あのう、プロ合唱団の演奏で、宗教曲を聴いたこと、ほとんどないんですが・・・・・ザ・タロー・シンガーズくらいでしょうか。他は、ピリオド系、BCJテレマンです。

こういった曲は、「本場に任せて、好きな人だけ集まってやればあ〜?プロは宗教曲以外をやるよ〜(クレヨンしんちゃん風で!)」というのが、主にオーケストラの伝統でしたよねえ、日本では。全部のオケがやるべしとは言いませんけれど、モーツァルトを演奏することがヨーロッパの「ディファクト・スタンダード」であれば、少なくとも、定期にミサ・ブレヴィスくらいは乗せてもいいんじゃありませんかねえ。

もし、日本のプロオケが本当に劣化しているのであれば、こういった宗教曲を演奏していないことに原因があるのでは?と思います。宗教曲というのは実は編成が簡単なのです。その上で、合唱とオケが「アンサンブル」しないといけません。オケの実力を図るには、実は合唱付きの音楽が適当なんです。

オケだけではごまかせても、合唱というある意味、オケに相当するような団体とアンサンブルするということになれば、即その実力が表ざたなります。特に、モーツァルトのミサ曲のように編成が簡単であれば、アラはすぐ露呈しますから。だから、モーツァルトの「ミサ曲」、特にミサ・ブレヴィスがきちんと演奏できることは、それだけしっかりと基礎があるオケだという証拠になるのです。

日本のオケで、それがはっきりとわかるオケは、果たしてどれだけあるでしょうねえ(杉下右京風で!)。

さて、この演奏、「ミサ曲」のほうは楽譜にある分、しっかりと演奏してくれています(まあ、それまで抜かすことは普通はないはずですが)。弦はおそらくふつうより少し少な目で、他は宗教曲であるとことで編成をコンパクトにしていることは聴いていてわかります。その証拠に、この演奏ではオルガンがしっかりと聴こえるのです!これは評価したいと思います。

宗教曲である以上、通奏低音としてごく普通にオルガンが使われているのが、古典派までの作品です。それがはっきりとわかる演奏は、評価せねばなりますまい!

こういう点は、モーツァルトのミサ曲では抜かしてはいかんのですことよ〜

おほほほ〜(って、本歌取りかい!)



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ミサ・ブレヴィス ヘ長調K.192(186f)「小クレド・ミサ」
ミサ曲ハ長調K.257「クレド・ミサ」
ヘレン・ドナート(ソプラノ)
ジリアン・ナイト(アルト)
ライランド・デイヴィス(テノール
クリフォード・グラント(バス)
ジョン・オールディス合唱団
ジョン・コンスタブル(オルガン)
サー・コリン・デイヴィス指揮
ロンドン交響楽団



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